翌日、僕は見ないようにしていた支倉先輩を探してみた。
すると、以前、支倉先輩の隣を歩いていた、長い漆黒の三つ編みをした浜辺先輩の姿はなかった。
小泉先輩たちと話しながら歩く背中は、どこか寂しげに見えた。
僕は意を決して、
「支倉先輩、おはようございます!」
と、声を掛けた。
支倉先輩は振り向いて僕を見た。
そして、ふわりと微笑んで、
「おはよう、森川」
と言ってくれた。
久しぶり(とはいえ、一ヶ月くらいだけど……)に近くで見た支倉先輩の笑顔に、胸がギュッとなった。
「なんか、声掛けてくれるの久しぶりじゃないか? 森川、いつも誰かしらに囲まれてたから、声掛けづらかったんだよね」
そんな支倉先輩の言葉に感動していると、
「おい、俺には!」
支倉先輩の左隣から、小泉先輩が顔を出した。
僕は目をすわらせ、
「あ、小泉先輩いたんですか?
おはようございます」
と挨拶した。
「見たか、支倉! この態度! 可愛くねぇ~!」
甲高い声で小泉先輩が叫ぶ。
「小泉先輩、朝からうるさいです!」
「本当だよ、小泉。もっと声のボリューム下げなよ」
僕と支倉先輩の言葉に、小泉先輩は目を見開いた。
「おい、サッカー部一年! 聞いたか?
この俺への配慮のない言葉!」
そう言って、航大に訴えている。
航大が苦笑いをしていると、小泉先輩は会話から完全に取り残されていた夏帆に気付いた。
「あれ? 女子バレー部の一年だ。
えっと……鈴木か!」
「はい! 小泉先輩、おはようございます」
運動部らしく礼儀正しく挨拶する夏帆に、
「見たか? 森川よ。これが先輩に対する態度だぞ」
と、小泉先輩が訴えてきた。
「え? 僕、文化部だから、運動部の礼儀とか分からないし」
そう答えると、小泉先輩と支倉先輩が、
「え? 森川、部活入ったのか?」
と、見事にハモった。
「はい! 漫研部に入りました」
笑顔で答えた僕に、二人は『ピキッ』と音がしそうなほど、見事に固まった。
「漫研?」
「はい!」
「マジで?」
「……? はい。僕、漫画もアニメも大好きなんで!」
笑顔で答えた僕に、
「大丈夫? 変なことされてない?」
「お前、無傷か?」
支倉先輩と小泉先輩が、立て続けに聞いてきた。
「……? 変なこと? されてませんよ。みんなで動画作ったり、同人誌? って言うんでしたっけ。読ませてもらったりしてますよ」
……同人誌は前から知ってるけど、ここは知らないフリでやり過ごそう!
僕は小首を傾げて微笑んだ。
すると二人は顔を見合わせ、
「心配だ……」
と、口々に言っていた。
……みんな良い人たちなのに、何を心配してるんだろうね?
すると、以前、支倉先輩の隣を歩いていた、長い漆黒の三つ編みをした浜辺先輩の姿はなかった。
小泉先輩たちと話しながら歩く背中は、どこか寂しげに見えた。
僕は意を決して、
「支倉先輩、おはようございます!」
と、声を掛けた。
支倉先輩は振り向いて僕を見た。
そして、ふわりと微笑んで、
「おはよう、森川」
と言ってくれた。
久しぶり(とはいえ、一ヶ月くらいだけど……)に近くで見た支倉先輩の笑顔に、胸がギュッとなった。
「なんか、声掛けてくれるの久しぶりじゃないか? 森川、いつも誰かしらに囲まれてたから、声掛けづらかったんだよね」
そんな支倉先輩の言葉に感動していると、
「おい、俺には!」
支倉先輩の左隣から、小泉先輩が顔を出した。
僕は目をすわらせ、
「あ、小泉先輩いたんですか?
おはようございます」
と挨拶した。
「見たか、支倉! この態度! 可愛くねぇ~!」
甲高い声で小泉先輩が叫ぶ。
「小泉先輩、朝からうるさいです!」
「本当だよ、小泉。もっと声のボリューム下げなよ」
僕と支倉先輩の言葉に、小泉先輩は目を見開いた。
「おい、サッカー部一年! 聞いたか?
この俺への配慮のない言葉!」
そう言って、航大に訴えている。
航大が苦笑いをしていると、小泉先輩は会話から完全に取り残されていた夏帆に気付いた。
「あれ? 女子バレー部の一年だ。
えっと……鈴木か!」
「はい! 小泉先輩、おはようございます」
運動部らしく礼儀正しく挨拶する夏帆に、
「見たか? 森川よ。これが先輩に対する態度だぞ」
と、小泉先輩が訴えてきた。
「え? 僕、文化部だから、運動部の礼儀とか分からないし」
そう答えると、小泉先輩と支倉先輩が、
「え? 森川、部活入ったのか?」
と、見事にハモった。
「はい! 漫研部に入りました」
笑顔で答えた僕に、二人は『ピキッ』と音がしそうなほど、見事に固まった。
「漫研?」
「はい!」
「マジで?」
「……? はい。僕、漫画もアニメも大好きなんで!」
笑顔で答えた僕に、
「大丈夫? 変なことされてない?」
「お前、無傷か?」
支倉先輩と小泉先輩が、立て続けに聞いてきた。
「……? 変なこと? されてませんよ。みんなで動画作ったり、同人誌? って言うんでしたっけ。読ませてもらったりしてますよ」
……同人誌は前から知ってるけど、ここは知らないフリでやり過ごそう!
僕は小首を傾げて微笑んだ。
すると二人は顔を見合わせ、
「心配だ……」
と、口々に言っていた。
……みんな良い人たちなのに、何を心配してるんだろうね?

