腐男子な僕はBL展開に胸きゅんが止まらない!

担任の先生の許可を取り、試験開始一週間前から試験最終日の前日まで、教室で試験勉強をする事になった。
もちろん、おたく君達も参加希望だ。
気付いたら結構な人数になっていて、のじちゃんは、
「試験期間になったら、来ない奴が絶対いるから大丈夫よ」
なんて言ってたのに、
「ねぇ、うちらも参加して良い?」
と、何故かギャル軍団まで参加となった。
サッカー部、漫研部、ギャル軍団という、訳の分からないことになってはいたけど、揉めることなく勉強会は進んで行った。
最初の頃は、「本当に勉強会してるのか?」と先生たちが覗きに来たが、真面目に勉強している僕たちに感動していた。
しかも……だ。
何故か、クラスの奴等もポツポツと参加し始めて、1-Bでは、学級委員が声を掛けて自主勉強会をしているという話まで広まってしまった。
しかものじちゃん、今や1-Bのお母ちゃんと呼ばれてる(笑)

「のじ母ちゃん」
「母ちゃん」

と呼ばれる度に、
「同じ年齢(とし)の子供を産んだ覚えはありません!」
って返すから、みんな楽しんじゃってる。
からかうんじゃなくて、みんなのじちゃんが大好きなんだ。
中には「華子」呼びして、のじちゃんにノートで頭をはたかれてた(笑)

いつの間にか、うちのクラスは仲良しクラスになっていて、しかもね、しかもね。
なんとギャル軍団の真鍋さんと、おたく君たちの一人、久保田君が付き合ったんだよ~!
ピンク頭のギャルと、細身のオタク男子のカップル。アンバランスに見えて、なんと好きなアニメが一緒で、二人で映画を見に行ったりしてるうちに、気が合って付き合い出したらしい。

「うふふ」
「森っち、嬉しそうね」

いつもの委員会終わりに、思い出してニヤけていると、のじちゃんが呟いた。

「だって、あちこちで笑顔がいっぱいでさ、嬉しいな~って。最近、のじちゃんも、猫背じゃなくなったし」

そう呟くと、のじちゃんは小さく笑って、

「……そうだね。森っちに感謝してるよ」

と答えた。
僕はのじちゃんの言葉に、目を瞬かせた。

「僕?」
「うん。私さ、学校って嫌いだったのよ。でも、今は楽しいよ」

そう笑ったのじちゃんは、綺麗だった。

「のじちゃん……」

感動していたその時だった。

「も~りかわ!」

甲高い声が聞こえた瞬間、背中にドスンと乗っかられて、僕はペシャリとつぶれた。

「なんだよ、森川。相変わらず弱っちいな~」

乗っかったまま動かない小泉先輩に、

「先輩、重いです! 降りて下さい」

そう言うと、小泉先輩は僕の背中から降りながら、

「お前さ、最近、俺らに絡んで来なくなったじゃないか。支倉、寂しがってたぞ」

と言った。
そう言われ、胸がチクリと痛んだ。

「それにあいつ、彼女に振られて落ち込んでるからさ。俺の相手もしてくれなくてさ」

その言葉に、頭が真っ白になった。

「え?」
「え? あ、そうか。知らなかったか。つい先日、浜辺から『別れよう』って言われたらしいよ」

小泉先輩の言葉に、

「どうして!」

思わず叫んでいた。

あんなに仲良さそうだったのに……。
支倉先輩、あんなに幸せそうだったのに……。

その時、僕の耳には、蝉の鳴き声がやけにうるさく聞こえた。