腐男子な僕はBL展開に胸きゅんが止まらない!

人の話し声で意識が少し戻った時、僕はどうやら保健室のベッドに寝かされていたらしい。
ぼんやりと白い仕切りカーテンと、カーテンレール。
グレーの天井を眺めていた。
するとカーテンが開く音がして
「ごめん。身体を楽にさせる為に、学ラン脱がせるよ」
そう言って、詰襟のホックを外し、学ランのボタンを外していく大きな手が見えた。
(えーーっ! 具合が悪くて意識朦朧な僕にナニをしようとしているの? 待って、待って! おいしい展開だけど、僕は観察したい側であって、体験したい側ではない!!)
心の中で叫びながら、でも身体はいうことを聞かない。
ぐったりとなすがままになっていると、あれよあれよと学ランが脱がされてしまった。
浅い呼吸の僕に
「ごめんね、手際悪くて。すぐに楽にしてあげるからね」
気遣う声と同時に、シャツのボタンまで外されていく。
(あぁ……とうとう僕は、童貞非処女になってしまうんだ……)
(どうか……せめて痛くありませんように……)
その瞬間、ベルトに手が掛かった。
(きたーーーー!!)
腐男子として、ここは覚悟を決めるしかない……!
(さらば!純粋無垢だった僕……)
まな板の鯉よろしく、僕は目をギュッと閉じて覚悟を決めていると
「先生~! 学ランとシャツのボタン開けて、ベルト外したよ~」
の声が聞こえた。
「え?」
「ん?」
思わず漏れた声に、僕を保健室に運んでくれた人が顔を覗き込んで来た。
「気が付いた? 大丈夫?」
僕を労る優しい声と同時に、フワリと頭を撫でられた。その手の温もりに、思わず目頭が熱くなった。
「まだ具合悪い?」
そう言うと、彼はカーテンの向こう側にいるらしい保健婦さんに声を掛けた。
「先生! 気付いたみたいだけど、なんか具合悪いみたい!」
するとツカツカと足音が近付き
「大丈夫? 気持ち悪い? 頭痛い?」
と、にょきりと白衣を着た女性が顔を出し体調を気遣う。
「大丈夫です」
答えながら起き上がろうとした僕に
「あ、そのままで良いから。体調が落ち着くまで、横になってて」
と言うと
「制服、勝手に脱がせてごめんね。貧血には、身体を楽にさせなくちゃいけなくて。それでも、こんなおばちゃんに脱がされるよりは、同性の方が良いかと思って支倉に頼んだのよ」
先生は早口に説明すると
「とりあえず、きみは体調が落ち着くまで休んでて。支倉、色々とありがとう」
と、僕を運んでくれた人に声を掛けた。
その人は僕を見ると
「じゃあ、俺は行くね。ゆっくり休んでね」
優しい先輩の笑顔に
(一瞬でも、疑ってごめんなさい)
僕は心の中で、手を合わせて謝罪した。