小春は帝都に向かう前日、両親と一緒に旧都にある光華街と言われるところでフレンチイタリアンのディナーを食べた。
小さい頃から時々両親と訪れていて、静かな空間で旧都で作られた野菜を使った料理を堪能できる。
明日は帝都に行ってトキに会う。そのまま新生活の準備となるだろう。
入学前の健康診断や説明会なども4月に入るとある。
帝都と旧都は電車で6時間ほど。
5月の大型連休に帰ってくるか、夏休みに帰ってくるか・・・小春次第になりそうだ。
入学前に親子で過ごす最後の時間。
大学の入学式には両親とトキまで来るらしい。
今年、帝都の大学に入学する木花家の人間は小春だけだったようだ。
トキが動くとなると警護をする公安警察はきっと今、大忙しだろう。
「小春、念願の帝都の大学、合格できて良かったね」
お母さんはワインでほろ酔いになっている。
「小春が家にいなくなると思うと、寂しくて、明日からどうしよう」
お父さんは愛娘の小春が大学進学とともにいなくなることが寂しくて仕方がないようだ。
合格通知が来たときは小春よりも喜んで、ミーティング中にも関わらず職場の方に報告したそうだ。
親バカにもほどがある。
高校の卒業式の時は会場にいた誰よりも泣いていた。
同級生たちから苦笑いされてしまった。
「もう、お父さん、私がいるじゃない。それとも私と二人は嫌なの?」
さっそくほろ酔いのお母さんに絡まれている。
「お母さんと二人なのは嫌じゃないよ。新婚のときみたいじゃん。
ただ、小春がいないって今まで修学旅行とかくらいだったから寂しくて」
お父さんはしょんぼりしながら答える。
お父さんとお母さんは仲が良い。
二人とも帝都で仕事して、出会って、結婚した。
小春が生まれてきたことをきっかけに夢幻の郷に移り住み、在宅での仕事を続けている。
お父さんは慣れない夢幻の郷での生活の中でご近所づきあいも、仕事も必死に頑張ったと聞いている。
何よりも小春のため。
夢幻の郷に住むことはどうやらトキからの助言だったようだ。
詳しいことはよく分からないが、その方が安全に暮らせると言われたらしい。
警護する側も対象が1か所にまとまっていてくれたほうが楽だし、情勢によってはその方が良いのだろうと思って夢幻の郷に来たらしい。
目の中に入れても痛くない、そんな存在の小春が大学進学のために帝都に行ってしまう。
お父さんは嬉しいけど寂しい、複雑な気持ちらしい。
たぶん、小春が帝都に行ったらお母さんと二人、新婚に戻ったように仲良く過ごすと思われる。
普段から仲の良い二人だからきっとそうなる。
「もう、お父さん、今日は私の進学祝いなんだからね!」
小春は泣きそうな父さんにちょっとわがままっ子な感じで言ってみた。
「そうだったよね、小春、進学おめでとう!頑張って勉強してたの見てたからお父さん、嬉しいよ」
お父さんはニコニコと笑顔を作って、目には少しだけ涙が浮かんでいた。
和やかな団らんの時間が過ぎていく。
小さい頃から時々両親と訪れていて、静かな空間で旧都で作られた野菜を使った料理を堪能できる。
明日は帝都に行ってトキに会う。そのまま新生活の準備となるだろう。
入学前の健康診断や説明会なども4月に入るとある。
帝都と旧都は電車で6時間ほど。
5月の大型連休に帰ってくるか、夏休みに帰ってくるか・・・小春次第になりそうだ。
入学前に親子で過ごす最後の時間。
大学の入学式には両親とトキまで来るらしい。
今年、帝都の大学に入学する木花家の人間は小春だけだったようだ。
トキが動くとなると警護をする公安警察はきっと今、大忙しだろう。
「小春、念願の帝都の大学、合格できて良かったね」
お母さんはワインでほろ酔いになっている。
「小春が家にいなくなると思うと、寂しくて、明日からどうしよう」
お父さんは愛娘の小春が大学進学とともにいなくなることが寂しくて仕方がないようだ。
合格通知が来たときは小春よりも喜んで、ミーティング中にも関わらず職場の方に報告したそうだ。
親バカにもほどがある。
高校の卒業式の時は会場にいた誰よりも泣いていた。
同級生たちから苦笑いされてしまった。
「もう、お父さん、私がいるじゃない。それとも私と二人は嫌なの?」
さっそくほろ酔いのお母さんに絡まれている。
「お母さんと二人なのは嫌じゃないよ。新婚のときみたいじゃん。
ただ、小春がいないって今まで修学旅行とかくらいだったから寂しくて」
お父さんはしょんぼりしながら答える。
お父さんとお母さんは仲が良い。
二人とも帝都で仕事して、出会って、結婚した。
小春が生まれてきたことをきっかけに夢幻の郷に移り住み、在宅での仕事を続けている。
お父さんは慣れない夢幻の郷での生活の中でご近所づきあいも、仕事も必死に頑張ったと聞いている。
何よりも小春のため。
夢幻の郷に住むことはどうやらトキからの助言だったようだ。
詳しいことはよく分からないが、その方が安全に暮らせると言われたらしい。
警護する側も対象が1か所にまとまっていてくれたほうが楽だし、情勢によってはその方が良いのだろうと思って夢幻の郷に来たらしい。
目の中に入れても痛くない、そんな存在の小春が大学進学のために帝都に行ってしまう。
お父さんは嬉しいけど寂しい、複雑な気持ちらしい。
たぶん、小春が帝都に行ったらお母さんと二人、新婚に戻ったように仲良く過ごすと思われる。
普段から仲の良い二人だからきっとそうなる。
「もう、お父さん、今日は私の進学祝いなんだからね!」
小春は泣きそうな父さんにちょっとわがままっ子な感じで言ってみた。
「そうだったよね、小春、進学おめでとう!頑張って勉強してたの見てたからお父さん、嬉しいよ」
お父さんはニコニコと笑顔を作って、目には少しだけ涙が浮かんでいた。
和やかな団らんの時間が過ぎていく。
