「え・・・狼弦、普通にスゴイ人じゃん」
税理士の試験ってかなり難しいと聞いたことがある。最後の1科目が取れなくて税理士になれない人も多いらしい。なのに、高校卒業したばかりの狼弦は科目をいくつか持っていると!?
それだけじゃなく英語の実用試験も良い点数だったとか・・・
小春は中の中くらいの点数だった。それ故、前期も後期もしっかり英語の授業がある。
狼弦は表情を崩さずにいる。小春にスゴイと称えられていることに無反応だ。
「スゴイかスゴくないかは分からないけど、普通だと思う」
「普通って。普通の高校生は簿記の2級とか1級取るくらいだよ。日商の1級を高校生で受かったら新聞載るって・・・
その上の税理士の科目って、そうとうスゴイよ」
小春は一生懸命に狼弦がいかにスゴイかを解説する。
高校生で税理士科目は普通じゃない。秀才と評されてもおかしくない。
でも、狼弦は小春の言葉にピンときていないようだ。
「簿記の1級は高1で受かってたなぁ」
「狼弦の家って・・・」
「小さい頃から木花家の女性を守るために武術を習う。我が家は父親が勉強もしっかりって感じだから家庭教師が来て中学には高校レベルの内容だった」
「え!?家庭教師!!めちゃくちゃお坊ちゃまじゃん!しかも中学で高校の勉強って・・・」
小春は旧都の夢幻の郷で自由に育っていた。
勉強も運動もそこそこ。進路も小春の意思で決めることができた。
全て小春のペースで、家庭教師や塾で勉強の先取りはすることはなかった。
狼弦のように幼い頃からなるべく仕事があって、そのために精進するという環境を小春は想像したことがなかった。
辛くないのだろうか?嫌だと思わないのだろうか?
小春は「もし」自分が夢紡の御力が強く、トキの後継と早くに決められていたらどうだろう?
きっと反発してた。逃げ出したいと思った。
「狼弦はその・・・もっと他のことをやりやかったとか、私の警護以外の選択肢があったらそっちを選んだ?」
小春の質問に狼弦は驚いた顔をした。
「小さい頃から木花家を守るためと育てられてたから、考えたことも無かった。それが自分だから」
小春の質問に狼弦はさらっとそれが当たり前のように答えた。
小春は現代の大和国で、個人の自由意志が尊重される社会で、こんなに封建的に育てられることがあるのかと驚いた。
しかも、自分を守るために・・・
「あのね、狼弦、お仕事のことはあるかもしれないけど、もし、今の仕事よりやりたいことがあればそれでも良いと思うよ」
「何か、俺、小春に心配されてる?それとも急に解雇?」
小春の真面目な話を狼弦は笑って冗談で返す。まるで「そんなことはあり得ない」と言っているようだった。
「雇い主はおばあちゃんだから私の意思では解雇できないでしょ。
狼弦、私は真面目に言ってるの!」
「小春、ありがとう。気持ちだけもらっとく」
狼弦の反応は大人の社交辞令のようだった。
小春はそれに気がついてよけいにモヤモヤしてしまう。狼弦には狼弦の意思でいろんなことを選択して欲しいと思うのだ。
「狼弦!私は真剣なの!!」
「小春、落ち着いて。分かった。ちゃんと話すから」
小春が初めて狼弦に向けて感情的に言葉をぶつけた。
のんびりしていて、穏やかな小春が狼弦のために気持ちを荒げることに狼弦は驚いた。
税理士の試験ってかなり難しいと聞いたことがある。最後の1科目が取れなくて税理士になれない人も多いらしい。なのに、高校卒業したばかりの狼弦は科目をいくつか持っていると!?
それだけじゃなく英語の実用試験も良い点数だったとか・・・
小春は中の中くらいの点数だった。それ故、前期も後期もしっかり英語の授業がある。
狼弦は表情を崩さずにいる。小春にスゴイと称えられていることに無反応だ。
「スゴイかスゴくないかは分からないけど、普通だと思う」
「普通って。普通の高校生は簿記の2級とか1級取るくらいだよ。日商の1級を高校生で受かったら新聞載るって・・・
その上の税理士の科目って、そうとうスゴイよ」
小春は一生懸命に狼弦がいかにスゴイかを解説する。
高校生で税理士科目は普通じゃない。秀才と評されてもおかしくない。
でも、狼弦は小春の言葉にピンときていないようだ。
「簿記の1級は高1で受かってたなぁ」
「狼弦の家って・・・」
「小さい頃から木花家の女性を守るために武術を習う。我が家は父親が勉強もしっかりって感じだから家庭教師が来て中学には高校レベルの内容だった」
「え!?家庭教師!!めちゃくちゃお坊ちゃまじゃん!しかも中学で高校の勉強って・・・」
小春は旧都の夢幻の郷で自由に育っていた。
勉強も運動もそこそこ。進路も小春の意思で決めることができた。
全て小春のペースで、家庭教師や塾で勉強の先取りはすることはなかった。
狼弦のように幼い頃からなるべく仕事があって、そのために精進するという環境を小春は想像したことがなかった。
辛くないのだろうか?嫌だと思わないのだろうか?
小春は「もし」自分が夢紡の御力が強く、トキの後継と早くに決められていたらどうだろう?
きっと反発してた。逃げ出したいと思った。
「狼弦はその・・・もっと他のことをやりやかったとか、私の警護以外の選択肢があったらそっちを選んだ?」
小春の質問に狼弦は驚いた顔をした。
「小さい頃から木花家を守るためと育てられてたから、考えたことも無かった。それが自分だから」
小春の質問に狼弦はさらっとそれが当たり前のように答えた。
小春は現代の大和国で、個人の自由意志が尊重される社会で、こんなに封建的に育てられることがあるのかと驚いた。
しかも、自分を守るために・・・
「あのね、狼弦、お仕事のことはあるかもしれないけど、もし、今の仕事よりやりたいことがあればそれでも良いと思うよ」
「何か、俺、小春に心配されてる?それとも急に解雇?」
小春の真面目な話を狼弦は笑って冗談で返す。まるで「そんなことはあり得ない」と言っているようだった。
「雇い主はおばあちゃんだから私の意思では解雇できないでしょ。
狼弦、私は真面目に言ってるの!」
「小春、ありがとう。気持ちだけもらっとく」
狼弦の反応は大人の社交辞令のようだった。
小春はそれに気がついてよけいにモヤモヤしてしまう。狼弦には狼弦の意思でいろんなことを選択して欲しいと思うのだ。
「狼弦!私は真剣なの!!」
「小春、落ち着いて。分かった。ちゃんと話すから」
小春が初めて狼弦に向けて感情的に言葉をぶつけた。
のんびりしていて、穏やかな小春が狼弦のために気持ちを荒げることに狼弦は驚いた。
