夢見る乙女は狼の守護のもとに 〜守られて愛されて一国を支える姫になる物語〜

 大和国で最初の恋愛小説ができた時代。

 政(まつりごと)を司(つかさど)る帝を裏で支える女性がいた。

 その女性が持っていた能力は「夢紡(ゆめつむぎ)の御力(みちから)」と呼ばれた。
 
 夢を見ることで複数ある選択肢から「より良い方向」を見つけ、帝に提言し、そして、国を幸せに導く助けをする。

「夢紡の御力」は木花(このはな)家の女性から一番強い力を持ったものが選ばれ、「夢紡の姫」と呼ばれる。

 夢紡の御力は、大和国のため以外には使用してはならない。
 夢紡の御力は、特定の個人のために使用してはならない。
 夢紡の御力は、自分自身の私利私欲のために使用してはならない。
 夢紡の御力は、国民に知られてはならない。
 夢見の御力は、公正中立な一族により守られなくてはならない。

 これは最初に帝に仕えた夢紡の姫、淡雪(あわゆき)が帝との間で交わした約束だ。

 この約束は歴代の帝とを結ぶ契約となり、現代に至る。

 夢紡の御力を持つ夢紡の姫は木花家の女性から選ばれる。

 そして、いつの時代もより強い力を持つ姫が常に求められていた。
 

 しかし、2回の大きな世界大戦の時代、存在自体を忘れられた。
 
 正しくは、夢紡の姫からの提言は政(まつりごと)の世界で聞き入れられることがないどころか、取り合ってももらえなかった。

 無視されたという方が正しいのかもしれない。
 
 侍の時代が終わり、科学技術の進歩著しい時代になったことは大和国の発展させたが、夢紡の御力は非科学的とみなされたためだった。
 
 再び帝のもとに戻れたのは2回目の世界大戦の後、帝都が焼け野原になってからだった・・・