いつか、あの日の私を迎えにいく


 和真のことが好きなのか、わからない。

 わからないけれど、好きだったことは確かに私の中に残ったままだった。

 別れのメッセージを送ったあと、和真から返事は来なかった。

 けど、来なかったことが答えのような気がしてた。

「みちるちゃんって明るいよねー! ね、高校では彼氏いなかったの?」

「あー! いそう! え、いまも彼氏いたりする!?」

 恋バナってのは、大学生になっても楽しいものらしい。

 だけど、この話題はちょっとタイムリーすぎる。

「あはは! いたけど別れたんだー! しかもつい最近!」

 私のあっけらかんとした言い方に、友達はぎょっと目を見開いた。

「えっ、彼氏いたの!? しかも別れたの? ええー!?」

「んー、いろいろあって。ほら、大学が別々になってうまくいかなくなった典型的なパターンのやつだよ」

「えー……でも、その人とはどのくらい付き合ったの? 長かった?」

 そう言われて指折り数える。
 付き合って、別れて……また付き合って。

 正確な日数なんて、もうわからない。

「んー……高1の終わりからだから二年くらい? でも、途中何度か別れてるから!」

「えー……そうだったんだ。でも、そっか。いろいろあったんだねえ」

 うん、いろいろあった。それは本当に。

「でもでもっ、うちの大学理系だし男の子多いから、これからきっといい出会いたくさんあるよ!」

「あはは! そうだねー!」

 そう、きっといろんな出会いがあるんだろうと思う。

 まだ、新しい恋を見つける気にはなれないけど。


◇


 和真のことを完全に忘れたわけじゃない。

 でも、大学は意外と忙しくて、楽しくて、時間が過ぎるのもあっという間だ。

 自然と和真のことを思い出すことも少なくなって、ああ別れたんだなって実感し始めた、六月の初め。

『久しぶり。一回会って話したいんだけど、会ってくれる?』

 ……和真だ。

 心臓が小さく音を立てた。

 少しだけ震える手で、文字を打ち込んでいく。
 たったこれだけの言葉を打つのに、どれほどの時間がかかったんだろう。

『わかった。いつ会う?』

 確かめたかった。
 自分の気持ちが、いまどこにあるのかを。