「でもさ、本当に居着いちゃったね、颯君」
常連客の一人が、しみじみと呟いた。
「アタシさぁ、アッキーにずっと聞きたかったことがあるんだけど……」
オネェの葉月は、細いメントール煙草へ火を付けながらニヤリと笑う。
「颯きゅんとは、やってんの?」
グラスを磨いていた明生の手が止まった。
「はぁ?」
咥えていた煙草を取り落としかけ、反射的に手で受け止める。
「アチチ……!」
慌てて灰皿へ押し込む姿に、葉月はケラケラと笑った。
「だってぇ、颯きゅんが来てもう一ヶ月くらいでしょう? あの席だって、クマ男か颯きゅんしか座らないじゃない?」
煙を吐きながら言われ、明生は露骨に眉間へ皺を寄せた。
「バカ言うな。相手は颯だぞ。……秒で萎える」
その返答に、葉月が声を上げて笑う。
「まぁ、そうよねぇ。アッキーって、影のある儚い美人好きだもんね」
「そんなんじゃねぇよ。それから葉月、さっきからアッキーとか変な呼び方してんじゃねぇ。次呼んだら出禁にするぞ」
「え~! ひっど~い!」
葉月が頬を膨らませた、その時だった。
「葉月さん、そろそろお店行く時間ですよ」
颯が優しい声で話へ割って入る。
「あ~、笑った笑った。颯きゅん、いつもありがとね」
颯は投げキッスをする葉月に、苦笑いを返した。
そんな賑やかな常連客たちを、颯は気に入っていた。
ふらりと現れた颯を、誰も追い出そうとしなかった。
何も聞かず、自然に受け入れてくれたのだ。
……もちろん、明生は初日に颯の親へ連絡を入れている。
本当なら、一泊だけして帰るつもりだった。
だけど。
ぶっきらぼうで愛想もないくせに、やたら大人の色気を漂わせる二十歳近く年上の男へ、颯は妙に興味を惹かれてしまったのだ。
常連客の一人が、しみじみと呟いた。
「アタシさぁ、アッキーにずっと聞きたかったことがあるんだけど……」
オネェの葉月は、細いメントール煙草へ火を付けながらニヤリと笑う。
「颯きゅんとは、やってんの?」
グラスを磨いていた明生の手が止まった。
「はぁ?」
咥えていた煙草を取り落としかけ、反射的に手で受け止める。
「アチチ……!」
慌てて灰皿へ押し込む姿に、葉月はケラケラと笑った。
「だってぇ、颯きゅんが来てもう一ヶ月くらいでしょう? あの席だって、クマ男か颯きゅんしか座らないじゃない?」
煙を吐きながら言われ、明生は露骨に眉間へ皺を寄せた。
「バカ言うな。相手は颯だぞ。……秒で萎える」
その返答に、葉月が声を上げて笑う。
「まぁ、そうよねぇ。アッキーって、影のある儚い美人好きだもんね」
「そんなんじゃねぇよ。それから葉月、さっきからアッキーとか変な呼び方してんじゃねぇ。次呼んだら出禁にするぞ」
「え~! ひっど~い!」
葉月が頬を膨らませた、その時だった。
「葉月さん、そろそろお店行く時間ですよ」
颯が優しい声で話へ割って入る。
「あ~、笑った笑った。颯きゅん、いつもありがとね」
颯は投げキッスをする葉月に、苦笑いを返した。
そんな賑やかな常連客たちを、颯は気に入っていた。
ふらりと現れた颯を、誰も追い出そうとしなかった。
何も聞かず、自然に受け入れてくれたのだ。
……もちろん、明生は初日に颯の親へ連絡を入れている。
本当なら、一泊だけして帰るつもりだった。
だけど。
ぶっきらぼうで愛想もないくせに、やたら大人の色気を漂わせる二十歳近く年上の男へ、颯は妙に興味を惹かれてしまったのだ。

