○ホテル・ファントム
303号室。早川あかりが清掃員の格好をして冷蔵庫にある残っていたポテチを食べてコーラーを飲んでいる。
812号室。黒井伊織は清掃をせず、「次元の源」と言う本を読んでいる。
○高速道路
神田大雅は高速道路を自転車で爆速して、車とスピード対決していた。
○ホテル・ファントム
905号室。とんこつおじさんはブラシでトイレの清掃をしていて便器を見下ろすと、そこにはパチンコ玉があって、それを手で取る。

○多田家
相良大地警部、佐々木一香警部が手袋をして、多田家の事件現場に入る。
相良「まるガイの現場付近を当たれ」
現場刑事「はい」
鑑識の松永に挨拶する、相良。
相良「警視庁捜査第一課、相良入ります」
佐々木「同じく、佐々木です」
相良「現場、案内してください」
刑事「こちらです」
相良、佐々木がリビングへ入ると多田浩介、多田愛佳、多田宗吾が壁に座り、カエルとパチンコ玉を飲み込んだ状態で血まみれになって死亡している。遺体三人の家族をまじまじと見る。
佐々木「カエル、おえ、一家全員ですか」
相良「はあ、サイコ野郎が」
遺体を調べている鑑識の松原。
相良「凶器については」
松原「刃物のような鋭利なもの、そしてパチンコ玉が数百と胃や内臓に入れられていています」
宇多川警部補が入ってきて、相良に話す。
宇田川「相良、通報者の三枝恒一の事情聴取を頼む、はくまで徹底的にな」
相良「わかってますよ、宇多川さんよりは吐かせますって」
宇多川「おい、みてるからな」

○会議室
警視庁捜査第一課 捜査員たちが集まる会議室。ホワイトボードには「多田一家殺害事件」が記されている。相良、佐々木は目の前のテーブルに座っている。
相良「被害者、都内で容疑者以外も合ってるよな」
佐々木「はい、2名と接触してます。いずれも事件当やアリバイもありますが、12年前の次元一家殺人、元殺人者の関係者です」
そこに宇田川警部補官が入ってくる。
刑事「起立、上席に礼」

黒井伊織M「誰に好かれなくても、自分の世界に入ることが好きだった。12年前、教室で小説を読んだり、自分の次元をノートに書くのがたまらなく好きだった。だけどあいつは私に出会ってから、あいつは離してくれなかった、12年後の今も、あいつは黒井伊織になっている」

○黒井家・リビング
黒井伊織と母の由美子が大福を食べている。由美子の食べている大福は粉がポロポロ落ちていた。
由美子「私はね、もうチョウチンアンコウと歩いてるの」
黒井「チョウチンアンコウ?」
由美子「うん、新海に潜んでゆっくりと生きるの、だからそっちの次元にはいけないから」
伊織「うん、そうなんだ」
由美子「じゃあ、各々の次元で生きていこう」
伊織「うん、わかった」

○道端・田んぼ
黒井は歩いていて、後ろから大友真由香、早川あかりが自転車で二人乗りしていた。早川あかりは口パクで、何かを伝えている。
黒井「試験?死刑?」
早川あかりは何かを伝えたかったのか、そのまま自転車は学校まで去っていく。
黒井「ぶち殺す!」

○教室・授業中
窓席に座っている早川あかりは、突然3階の窓から飛び降りた。
担任も生徒も停止して、バシャんと音が鳴り響く。担任窓から覗くと、早川あかりは自転車置き場の鉄骨の上で、コロコロ転がって、笑っていた。
早川「いってーやっばあ!!」
担任「おい早川、何してるんだ!」
生徒「あいつマジで、キチガイ」
生徒「普通に死にたいんやろ、早川」
生徒「萎えるわ」
黒井は興味もなく、ノートを書いていた。

○教室・放課後
生徒会終わりの黒井は鞄を取りに教室に戻ると、早川が黒井の席で眠っていた黒井はそっと鞄を取って帰ろうとすると、早川が手首を強く掴んできた。
早川「ねえ黒井、名前ちょうだい?」
黒井「…は?」
早川「私、黒井伊織になって見たいんだよね」
黒井「はあ?どういうこと」
早川「興味あるんだよね、黒井に、黒井はさ、私のこと好きでしょ?」
黒井「自意識過剰だね」
早川「だから、黒井伊織ちょうだい」
黒井「は?どういう」

早川が黒井の机の中から「次元」というノートを出す。
早川「あのさ、次元って何なの?黒井考えてること、相当きもいね」
黒井「…あ」
早川「やっぱり誰にも、触れられたくなかったんだ」
黒井「…別に、返して」
黒井が早川からノートを奪おうとするが、なかなか返してくれない。
早川「私は、その次元簡単にできちゃうよ?」
早川は後ろの水槽から、金魚を一匹掴んで机に投げつけた。金魚はペチペチ跳ね回っている。黒井の目がかっぴらき、呼吸が荒い。
早川「こういうの、興奮するんでしょ?」
黒井「…しない」
早川がノートをパラパラと捲る。
早川「いいじゃん、おもろいって」

ノートの中は担任が死んでいたり、生徒が飛び降りる絵などが書かれていた。
黒井「返せって、早川に関係ないでしょ」
早川「だから、私が黒井伊織になってあげるよ?」
黒井が早川からノートを奪い返すと、鞄を抱えて教室からでていく。
黒井「…」
早川「黒井本当によかったね、私に出会えて」

○大河橋沿い
下校している生徒、買い物袋を持ったおばあちゃん、黒井は耳が赤くなって、両足がなくなるくらい走った。