君の生きる理由になりたかった



「なにしてるの、ここで」
 

懐かしくて、ずっと聞きたかった声が私の耳に響いた。
 
はっとして周りをきょろきょろと見回す。だけど、姿は見えないし、首から下は自分の体を動かすこともできない。広がるのはどこまでも続く真っ暗な空間だけだった。
 
……陽菜?そこにいるの?お願い、姿を見せてよ。もう一度、陽菜に会いたいの。
 
言葉にしようとしても、声が出なかった。まだクリアじゃない頭のなかで、そばにいるはずの陽菜に問いかける。
 
伝えたいことがいっぱいあるんだよ。あのときのこと、ちゃんとあやまりたいの。
 
どうして声が出ないの。どうして伝えられないの。ようやく会いに来れたのに、どうしてなひとつ伝えられないの。


「私の言葉、思い出して」
 

ぽんっと、視界がはじけた。