よろづーこれは、かつて人々によって穢され、見捨てられた、もうひとつの世界のお話ー

 風呂から上がった後は、みんなで食事をとった。

「建物は薄気味悪いけど、食事はうめぇな!」

 海刃は焼き魚を頬張りながら、元気に言った。

「ところで、これからどうする? この宿でも奴らの情報はなしだったな……」

 影利が箸を置いて、みんなに問いかける。
 来華もすすっていた茶を置き、眉間に皺を寄せた。

「奴らがどこら辺に向かってんのか、わからなきゃ、進みようがないよね……」

 他の三人も、箸を止めて考え込んでいる。
 そんな中、海刃が沈黙を破った。

「まっ、こういうときは真っ直ぐ進むしかないだろ!」

「は? ちょっと、真剣に考えてんのか?」

 かずみは呆れた顔をしたが、影利は口元に手をやって考え込んだまま言った。

「いや、でもなにもしないで立ち止まっているよりかは、適当にでも進めば、なにか情報が得られるかもしれないしな……」

 小雨もそれにうなずく。

「うん、アタシもそう思う」

 来華はニコリと笑った。
 かずみは腕を組んでつぶやく。

「う~ん、なるほどな。お前もたまにはいいこと言ってんだな」

 海刃は再び箸を手にしながら、少し口を尖らせた。

「なんだよ、たまにはって」