——今よりはるか昔、人々は戦いに明け暮れていた。
その醜い争いは、多くの数え切れぬ犠牲を出した。
そしてその人々の醜い行いはまた、多くの計り知れぬ憎悪の念を生み出した。
その憎悪の念を抱いた魂はとどまる所を知らず、ついには人々に害をなす『アヤカシ』と化し、人々を苦しめた。
人々は、自らが生み出してしまった、とどまる所を知らぬ『アヤカシ』によって滅びゆくことを恐れ、皆で知恵を出し合い、策を練った。
その際、とある一人の祈祷師が、偶然にも、もうひとつの世界への入り口、『あわい』を見つけ出した。
あわいは各地に存在し、同じ世界へ通ずることが確認された。
その祈祷師は何十人もの力のある祈祷師たちを集め、あわいを開き、こちら側に人々の憎悪で歪んだ魂や『アヤカシ』を残して、あちら側に人々を送ったのだ。
しかし、それを知らされていなかった者たちは多くの『アヤカシ』と共に、こちら側の世界に取り残された。
残された人々は『アヤカシ』に呑み込まれてしまわぬよう、懸命に戦って生き抜いてきた。
そうしてなんとか、この世を保ち続けてきたのだ。
人々は、とどまる所を知らぬ憎悪の念と、それから生まれる『アヤカシ』、そして終わり無き苦しみから、いつしかこの世を『よろづ世』——永久・限りなく続く世——と呼ぶようになった。
人々が在り続ける限り、『アヤカシ』は生まれ続ける。
人々が在る限り、この『よろづ世』は終わらない。
そう、我らは人々に、世界に、神に見捨てられし者——
よろずが読み終わった後も、しばらく二人は黙ったままだった。
その醜い争いは、多くの数え切れぬ犠牲を出した。
そしてその人々の醜い行いはまた、多くの計り知れぬ憎悪の念を生み出した。
その憎悪の念を抱いた魂はとどまる所を知らず、ついには人々に害をなす『アヤカシ』と化し、人々を苦しめた。
人々は、自らが生み出してしまった、とどまる所を知らぬ『アヤカシ』によって滅びゆくことを恐れ、皆で知恵を出し合い、策を練った。
その際、とある一人の祈祷師が、偶然にも、もうひとつの世界への入り口、『あわい』を見つけ出した。
あわいは各地に存在し、同じ世界へ通ずることが確認された。
その祈祷師は何十人もの力のある祈祷師たちを集め、あわいを開き、こちら側に人々の憎悪で歪んだ魂や『アヤカシ』を残して、あちら側に人々を送ったのだ。
しかし、それを知らされていなかった者たちは多くの『アヤカシ』と共に、こちら側の世界に取り残された。
残された人々は『アヤカシ』に呑み込まれてしまわぬよう、懸命に戦って生き抜いてきた。
そうしてなんとか、この世を保ち続けてきたのだ。
人々は、とどまる所を知らぬ憎悪の念と、それから生まれる『アヤカシ』、そして終わり無き苦しみから、いつしかこの世を『よろづ世』——永久・限りなく続く世——と呼ぶようになった。
人々が在り続ける限り、『アヤカシ』は生まれ続ける。
人々が在る限り、この『よろづ世』は終わらない。
そう、我らは人々に、世界に、神に見捨てられし者——
よろずが読み終わった後も、しばらく二人は黙ったままだった。

