よろづーこれは、かつて人々によって穢され、見捨てられた、もうひとつの世界のお話ー

「アイツ強いな!」

 少女はアタシに話しかけてきた。

「へっ? うぅ、うん!」

 アタシはよろずを止めに行くのは諦めて、座り直した。

(わぁ、よろず以外の子に話しかけられるの、初めてだよ!)

「いっつもアイツといるけど、友達なのか?」

「う、うん! よろずっていうんだよ!」

 アタシは緊張気味に答えた。

「へぇ、変わった名前だな。今、よろずに木刀で突き回されてる奴は海刃っていうんだ。私の幼馴染で、あっ、そういえば、私はかずみっていうんだ。よろしくな!」

 かずみはそう言って、アタシに手を差し伸べてきた。

(わぁ、これって友達……?)

 アタシは嬉しくって、かずみの手をギュッと握って自己紹介をした。

「よ、よろしく! アタシは小雨だよ!」

 よろずと海刃が走り回っているのを他所に、アタシたちはお互いににっこりと微笑んだ。

「わわ、悪かったって! もう許してえぇ~」


 
 こうして、アタシたちは四人になった。