「ぎゃあぁあぁあ!」
鋭い悲鳴が響き渡った。
アタシが胸に手をやった瞬間、空から降る雨は何千何万もの無数の水の刃と化し、容赦なく男の身体に降り注いだのだった。
——血の雨が降った。
男の身体はどさりとその場へ倒れ込んだ。
よろずは驚いて固まったまま、ただその光景に、目を見開いていた。
「小雨……おめぇ……」
よろずが掠れ声でそう言うのも、アタシの耳には入らず、アタシはその場にへたり込んだ。
(殺ってしまった……殺ってしまったんだ……)
よろずはふらりと立ち上がって、我を忘れてへたり込んだままのアタシを、なんとか背負い上げた。
そして、横腹の傷の痛みに耐えながら、森の中をアタシを背負ったまま、足を引きずるようにして歩き出した。
よろずはとても苦しそうだった。
横腹から血が滴り落ちて、歩いた後に点々と血が滲んだけど、すぐに雨が消し去ってしまった。
なんとか自分の家に辿り着くと、よろずは家に一歩足を踏み入れた途端、ばったりとその場に倒れ込んだ。
「!」
その衝撃でアタシはやっと我に返った。
「よろず!」
アタシは急いでよろずの上から下りて抱き起こしたが、彼は目を瞑ったまま動かない。
アタシは、できる限りの傷の手当てをして、日が変わってもよろずの看病をし続けた。
雨はまだ降り続いていた。

