彼らとはまた別に、旅をしている者たちがいた。
一人はかなりの長身の男。
頭に包帯を巻いており、鋭い切れ長の瞳——黒地に桜柄の羽織りをまとい、腰には刀を差していた。
そして、もう一人は男とは対照的に小柄な少年。
長髪を頭の上で一つに結び、大きな瞳をしている。
少女と見間違うほどのあどけない容姿とは裏腹に、背には身の丈ほどもある巨大な大鎌を背負っていた。
高くそびえ立つ岩山から、二人は紫檀色の大きな襟巻をなびかせながら、ある里全体を見渡していた。
「空模様が怪しいな……」
長身の男が空を見上げた。
「…………」
少年は無言で岩山の崖に腰を下ろしたままだ。
ポツリと、空から水滴が落ちてきた。
「降り出したな。どこかで雨をしのげる場所を探すか」
長身の男がそう言うと、
「……小雨……か」
少年は空を見上げ、小さくつぶやいた。
ゆっくりと立ち上がる。
長身の男は崖に背を向け、歩き出すと、少年に声をかけた。
「行くぞ……よろず……」
そう、その少年の名は『よろず』といった——

