よろづーこれは、かつて人々によって穢され、見捨てられた、もうひとつの世界のお話ー

「な、なんだよその顔は?」

 かずみは赤くなりながらそっぽを向いた。

「あっ、いや! こっちこそごめん! あたしの方こそ言い過ぎたよ」

 来華も急いで謝った。

「悪いけど、昨日の話聞いちゃったよ」

 かずみは来華の方へ向き直った。

「……そっか、聞いてたの」

 来華は気を悪くした様子もなく、軽く微笑んだ。

「昨日の話ってなんだよ?」

 海刃が口を挟んできたが、来華は言葉を続けた。

「なら話しが早い……。あたしはせっかく一緒になった仲間を、こんなことで失いたくない。目的はそれぞれ違うけど、みんな奴らを追ってるし。だから、これからも一緒に行ってくれる?」

 来華は澄んだ瞳で真っ直ぐとかずみを見つめ、右手を差し出した。

「なに言ってんだよ。当たり前だろ!」

 かずみは優しく微笑んで、強くその手を握り返した。
 小雨も嬉しそうにそれを見ながら笑顔になった。

「よし! じゃあ、さっさと行くか!」

 かずみは意気揚々と、みんなの前に立って歩き出した。
 小雨もその後に続く。

「なんなんだよぉ? 昨日の話って? 一体なにが起こったんだ?」

 海刃は一人ついていけずに、狼狽えていた。

「今度教えてあげるって!」

 来華はそんな海刃に元気にそう言うと、二人の後を歩き出した。

「なんだよそれ……」

 海刃は顔をしかめながらも歩き出す。
 影利も表情はないが、どこか安心したように後へ続いた。

 そう、今は立ち止まっている暇はない。

 ただ先へと進むしかないんだ……。