よろづーこれは、かつて人々によって穢され、見捨てられた、もうひとつの世界のお話ー

 小雨たちは、それぞれが追い求めていた相手と向かい合った。
 
 光我は引きつった顔でニヤリと笑う。

「てめぇが、今更オレになんの用があるってんだ?」

 影利は落ち着いたまま口を開く。

「お前こそ、何故急にいなくなったんだ?」

 光我はフンと鼻で笑って、吐き捨てる。

「てめぇには関係ねぇ!」

 影利は刀に手をやりながら、じっと彼を見据えた。

「それなら口を割らせてやる」

 光我も鎖鎌を手に持って叫んだ。

「オレはもう、てめぇの弟なんかじゃねぇんだよぉ!」



 
 海刃は、小雨とかずみを振り返ると口を開いた。

「お前らは向こうで、大人しくしていてくれ」

「なに言ってんだ! なんで私たちだけ——」

 かずみが必死にそう言うのを、海刃が遮る。

「頼む。おれにやらせてくれ……」

 小雨はそれでも、居ても立ってもいられない様子だ。

「っでも!」

 今度はかずみがそれを遮った。

「海刃に任せよう」

「かずみ……」

 かずみは真っ直ぐと彼の背を見ている。

「アイツがあそこまで言うんだ。アイツにもアイツなりの意地があるんだろ……。それに、お前ももうわかってんだろ? 話し合いだけじゃ済まないってな」