あの全校集会があった日から、ニ週間はとうに過ぎたのに犯人は現れなかった。校長はそれまでに名乗らなければ警察に突き出すようなことを言っていたが、そんなコケ脅しは全くの無意味だったらしい。校舎裏の壁に落書きをしたのも、私たちの教室に目玉を花で突き刺さした魚を置いたのも恐らくは同一犯だろう。皆がそう思っていた。頭のおかしい誰かがいたずらでやったって。最初は、怖いね、なんて話す子もいたけれど、日々話題が移り変わる十七歳の私たちにとっては三日も経てばそれは時代遅れの携帯電話みたいなもので、あえてそれについて話そうとする物好きは少なくとも私のクラスにはいなかった。
でも、全校集会が開かれたあの日から十日たった今日、事態は大きく動いた。私たちの担任の、白石先生が第一発見者だった。
二階の女子トイレ前にあった水槽の魚が一匹残らず死んでいた。ちいさな身体は不自然なかたちに折り曲がり、ひかりを失った目はみひらかれたままだった。エアポンプを作動させるコードが切断されていた為、故意である事は明らかだった。
その日の三限の終わり。教室に学年主任と白石先生が入ってきた。二人とも辛辣な表情を身に纏っていた。普段は休み時間に入れば賑やかになる教室が音が死んだみたいに静まりかえる中、白石先生が口をその名を呼んだ。
「浅川さん、ちょっといい? 聞きたいことがあるの」
でも、全校集会が開かれたあの日から十日たった今日、事態は大きく動いた。私たちの担任の、白石先生が第一発見者だった。
二階の女子トイレ前にあった水槽の魚が一匹残らず死んでいた。ちいさな身体は不自然なかたちに折り曲がり、ひかりを失った目はみひらかれたままだった。エアポンプを作動させるコードが切断されていた為、故意である事は明らかだった。
その日の三限の終わり。教室に学年主任と白石先生が入ってきた。二人とも辛辣な表情を身に纏っていた。普段は休み時間に入れば賑やかになる教室が音が死んだみたいに静まりかえる中、白石先生が口をその名を呼んだ。
「浅川さん、ちょっといい? 聞きたいことがあるの」
