「まさかこんな大ごとになるなんて、思わなかった。なんでも上手くいってる華ちゃんに腹が立って、憎らしくなって……。ほんとは、ずっと羨ましかった」
ところどころ震えながら、でもしっかりと話そうとする意思が見える。
「でも、今は後悔してる。みんなを傷付けたかったわけじゃ……ない。信じてもらえないかもだけど、普通に、仲良くしたかった」
ぐっと唇を閉じて、必死に泣くのをこらえている。
ああ……、この子も感情のぶつけ方が分からなかったんだ。悪い方向へ進んで、負の連鎖を繰り返して。
ごめんなさいと続けて、もう一度、さあちんは頭を下げた。
「……私なんて、全然だよ。上手くいかないことだらけで、悩んでばっかり」
誰でも、人のことは深くまではわからないから。お互いにもう少し心の声を話せていたら、何かが違っていたのかな。
「私には、ここにいるみんながいたから頑張れたの」
つらい時、悲しい時は、いつもみんなが寄り添ってくれた。
寂しい時、心細い時も、必ず姫先輩がいてくれたから、私は乗り越えられた。
「さあちんも彩葉ちゃんと、そんな関係になれたらいいよね」
気づいたら、そんなことを口にしていた。
嫌なことをされた傷が完全に消えることはないけど、さあちんの全てを憎んでいるわけじゃない。
黙って聞いていたさあちんが、通学かばんから小さな袋を取り出す。
「……これ」
なんだろう。丁寧にリボンを解くと、白い花のイヤリングが入っていた。角度によって、クリスタルのようにきらきら輝いて見える。
「……きれい」
「みんなで作ったの。その子たちにお願いされて、ねっ」
乙谷さんの声に、さあちんと彩葉ちゃんが申し訳なさそうに小さくうなずく。
このイヤリングを、みんなが……?
ガタンと椅子が動いて、姫先輩が私の背後へ立った。そのまま手が伸びてきて、何もない右耳にイヤリングを付けてくれる。
くすぐったくて、ドキドキして落ち着かない。
ハッとして顔をあげた拍子に、「今日だけ特別に、生徒指導から許可もらってるんだ。だから付けてて大丈夫だよ」と、高嶺くんが微笑んだ。
言う前から、まるでわかっていたみたい。
「日頃からの悠晴くんの信頼があったからこそ、出来たことなんだから。ガールズたち、感謝しなさいねー?」
チチチと指を振って、二人に近付く河合さん。
殺風景だった耳元にそっと触れてみる。シャランとしたガラスの花が、ある。
みんなが私のために、こんな素敵なことを考えてくれていたなんて。
「ありがとう……! すごく、嬉しい」
手で顔を覆いながら、目頭が熱くなった。
ところどころ震えながら、でもしっかりと話そうとする意思が見える。
「でも、今は後悔してる。みんなを傷付けたかったわけじゃ……ない。信じてもらえないかもだけど、普通に、仲良くしたかった」
ぐっと唇を閉じて、必死に泣くのをこらえている。
ああ……、この子も感情のぶつけ方が分からなかったんだ。悪い方向へ進んで、負の連鎖を繰り返して。
ごめんなさいと続けて、もう一度、さあちんは頭を下げた。
「……私なんて、全然だよ。上手くいかないことだらけで、悩んでばっかり」
誰でも、人のことは深くまではわからないから。お互いにもう少し心の声を話せていたら、何かが違っていたのかな。
「私には、ここにいるみんながいたから頑張れたの」
つらい時、悲しい時は、いつもみんなが寄り添ってくれた。
寂しい時、心細い時も、必ず姫先輩がいてくれたから、私は乗り越えられた。
「さあちんも彩葉ちゃんと、そんな関係になれたらいいよね」
気づいたら、そんなことを口にしていた。
嫌なことをされた傷が完全に消えることはないけど、さあちんの全てを憎んでいるわけじゃない。
黙って聞いていたさあちんが、通学かばんから小さな袋を取り出す。
「……これ」
なんだろう。丁寧にリボンを解くと、白い花のイヤリングが入っていた。角度によって、クリスタルのようにきらきら輝いて見える。
「……きれい」
「みんなで作ったの。その子たちにお願いされて、ねっ」
乙谷さんの声に、さあちんと彩葉ちゃんが申し訳なさそうに小さくうなずく。
このイヤリングを、みんなが……?
ガタンと椅子が動いて、姫先輩が私の背後へ立った。そのまま手が伸びてきて、何もない右耳にイヤリングを付けてくれる。
くすぐったくて、ドキドキして落ち着かない。
ハッとして顔をあげた拍子に、「今日だけ特別に、生徒指導から許可もらってるんだ。だから付けてて大丈夫だよ」と、高嶺くんが微笑んだ。
言う前から、まるでわかっていたみたい。
「日頃からの悠晴くんの信頼があったからこそ、出来たことなんだから。ガールズたち、感謝しなさいねー?」
チチチと指を振って、二人に近付く河合さん。
殺風景だった耳元にそっと触れてみる。シャランとしたガラスの花が、ある。
みんなが私のために、こんな素敵なことを考えてくれていたなんて。
「ありがとう……! すごく、嬉しい」
手で顔を覆いながら、目頭が熱くなった。



