#2
翌日、昼。
今日も今日とて真宏は、いつも通り宇佐美がわざわざクラスに出向きハゼに吠えられながらも、二人は屋上に来ていた。宇佐美が真宏を抱えて硬いコンクリートに腰を下ろそうするので、慌てて止める。
「先輩ちょっと待って」
鞄とは別のナップザックを今日はちゃんと持ってきていた。真宏はその中からスーパーグッズを取り出す。
「ん?何それ……もーふ?と、ざぶとん?」
コテンと首を傾げる宇佐美に、真宏はコクリと頷く。
「呼ばれる度にコンクリじゃあ、俺も先輩も、おしり痛くなるでしょ?それに寝ると体温下がって寒くなっちゃうし先輩ペラいから」
「ペラいぃ?」
「体。薄っぺらでまっちろなんだから、ちゃんとあったかくして寝なきゃ。ほら!」
宇佐美と自分のお尻の下に、丸型のクッションと宇佐美の肩にブランケットを掛ける。
「これわざわざ買うて来たん?」
まだキョトン顔してる宇佐美に、真宏は「そりゃあそうですよ」と答える。盗んだわけじゃあるまいし。
「……ふぅん」
宇佐美はつまんなそうに頷くので、なんなんだ?と思いつつも「ほら!足開いて!」と急かす。
「やぁだ、真宏のえっちぃ〜」
「うっさい!じゃあ帰りますよ!」
「あかんあかん冗談やって、おいで」
ブランケットを肩にかけ、真宏ごと包む宇佐美。真宏はこの体勢が少し好きだなと思っていた。図らずもそれは宇佐美も同じだった。真宏は宇佐美の足の間に座り、いつものようにお弁当を食べる。
「ねぇ先輩、今日も何も食べないの?」
「ん?うん。腹減ってへんしな」
「俺と居る時いつも食べませんね」
「うん」
話しかけてもあまり話さなくなった宇佐美に不思議に思いながらも、卵焼きを一つ箸で掴み、自分の肩に乗ってる端正な顔に近づけた。
良く見ると今日も顔色が良いとは言えなかった。
「なあに?くれんの?」
「うん。食べて」
毎日呼び出されてる訳では無いけれど、流石に呼び出される度に何も食べてない姿を見ると心配にはなる。む、と口にくっ付けてやると苦笑しつつ「分かった」と言ってパクリと食べた。
「美味しい?」
真宏が何となくそう聞けば、宇佐美は「んまい」と笑ってくれる。
「……俺作ったの」
そう言いつつ自分もかぼちゃこコロッケをパクリと食べる。これは昨日の夕飯の残りだけど、夕飯も真宏の担当であったから今日のお弁当は真宏のお手製なのである。
「真宏、料理できるん?」
「うん、作るよ」
あ、ほうれん草の胡麻和え、ちょっとしょっぱかったかな?次は塩加減気をつけよう。
「こないだのウィンナーさんも?お料理上手やね」
不意に褒められた真宏は、自分の両耳や頬がじんわり温かくなるのを感じた。思わずバッと振り向けば宇佐美は、なに?と言いたげな顔で見てくる。
真宏は「……どうも」と返し顔を戻した。
ドッドッドッと、ちょっと自分の心臓が煩くなるのに気づく。
……なんだ?走った後みたいにドキドキしてる。……変なの。
「……今度、先輩にも……って寝てるし」
作ってきましょうか、の言葉は宇佐美に届ける事が出来なかった。いつの間にか、スヤスヤと眠りについている宇佐美に拍子抜けし、意識をまたお弁当に戻した。
この人は、いきなり死んだように眠るなぁ。夜、あんまり寝れてないのかな。
本当に細いし、白い……。白いというか、青白いんだ。顔色が悪い。……俺が心配する義理はないんだけどさ。
のんびりご飯を食べているうちに、いつの間にか鼓動は戻っていた。
翌日、昼。
今日も今日とて真宏は、いつも通り宇佐美がわざわざクラスに出向きハゼに吠えられながらも、二人は屋上に来ていた。宇佐美が真宏を抱えて硬いコンクリートに腰を下ろそうするので、慌てて止める。
「先輩ちょっと待って」
鞄とは別のナップザックを今日はちゃんと持ってきていた。真宏はその中からスーパーグッズを取り出す。
「ん?何それ……もーふ?と、ざぶとん?」
コテンと首を傾げる宇佐美に、真宏はコクリと頷く。
「呼ばれる度にコンクリじゃあ、俺も先輩も、おしり痛くなるでしょ?それに寝ると体温下がって寒くなっちゃうし先輩ペラいから」
「ペラいぃ?」
「体。薄っぺらでまっちろなんだから、ちゃんとあったかくして寝なきゃ。ほら!」
宇佐美と自分のお尻の下に、丸型のクッションと宇佐美の肩にブランケットを掛ける。
「これわざわざ買うて来たん?」
まだキョトン顔してる宇佐美に、真宏は「そりゃあそうですよ」と答える。盗んだわけじゃあるまいし。
「……ふぅん」
宇佐美はつまんなそうに頷くので、なんなんだ?と思いつつも「ほら!足開いて!」と急かす。
「やぁだ、真宏のえっちぃ〜」
「うっさい!じゃあ帰りますよ!」
「あかんあかん冗談やって、おいで」
ブランケットを肩にかけ、真宏ごと包む宇佐美。真宏はこの体勢が少し好きだなと思っていた。図らずもそれは宇佐美も同じだった。真宏は宇佐美の足の間に座り、いつものようにお弁当を食べる。
「ねぇ先輩、今日も何も食べないの?」
「ん?うん。腹減ってへんしな」
「俺と居る時いつも食べませんね」
「うん」
話しかけてもあまり話さなくなった宇佐美に不思議に思いながらも、卵焼きを一つ箸で掴み、自分の肩に乗ってる端正な顔に近づけた。
良く見ると今日も顔色が良いとは言えなかった。
「なあに?くれんの?」
「うん。食べて」
毎日呼び出されてる訳では無いけれど、流石に呼び出される度に何も食べてない姿を見ると心配にはなる。む、と口にくっ付けてやると苦笑しつつ「分かった」と言ってパクリと食べた。
「美味しい?」
真宏が何となくそう聞けば、宇佐美は「んまい」と笑ってくれる。
「……俺作ったの」
そう言いつつ自分もかぼちゃこコロッケをパクリと食べる。これは昨日の夕飯の残りだけど、夕飯も真宏の担当であったから今日のお弁当は真宏のお手製なのである。
「真宏、料理できるん?」
「うん、作るよ」
あ、ほうれん草の胡麻和え、ちょっとしょっぱかったかな?次は塩加減気をつけよう。
「こないだのウィンナーさんも?お料理上手やね」
不意に褒められた真宏は、自分の両耳や頬がじんわり温かくなるのを感じた。思わずバッと振り向けば宇佐美は、なに?と言いたげな顔で見てくる。
真宏は「……どうも」と返し顔を戻した。
ドッドッドッと、ちょっと自分の心臓が煩くなるのに気づく。
……なんだ?走った後みたいにドキドキしてる。……変なの。
「……今度、先輩にも……って寝てるし」
作ってきましょうか、の言葉は宇佐美に届ける事が出来なかった。いつの間にか、スヤスヤと眠りについている宇佐美に拍子抜けし、意識をまたお弁当に戻した。
この人は、いきなり死んだように眠るなぁ。夜、あんまり寝れてないのかな。
本当に細いし、白い……。白いというか、青白いんだ。顔色が悪い。……俺が心配する義理はないんだけどさ。
のんびりご飯を食べているうちに、いつの間にか鼓動は戻っていた。

