【第1章】#1
「今日もうさ先輩はかっこいいねぇ~」
「足も長いし、髪赤いのも似合ってるし」
「あんなに柄悪そうなルックスなのに話しかけるといつもニコニコしてくれるし」
「甘い声に関西弁のギャップ!」
「勉強も、運動も申し分ないしさぁ」
「まぁそこまでは完璧だけど……」
「付き合いたいとは思わないよねぇ~!!」
賑やかな教室で、一際響く窓際ではしゃぐ女子生徒達の甲高い声。
窓の外、校門から昇降口まで続く道をのんびり社長登校して来る派手な容姿の男子生徒は、クラスの女子のみならず恐らく全学年の生徒の注目の的らしい。
外見が派手だから……と一言で言ってしまうのは簡単だが、まあ結局はルックスが抜群に良いのだ。
染めている赤い髪は傷んでおらず艶やかで、スラリとした180センチはゆうに越えるであろう高身長で手足は細く長い。
流石に華奢というわけではないらしいがお世辞にもガタイ良いとは言い難い細さの為か、モデル体型というよりかは少々不健康さを感じる体型である。
そんな細い身体にワイシャツをラフに羽織り、ズボンもゴツイベルトのせいかダボついて見えていた。
腕につけてるアクセサリーや、指輪、ピアスも美意識なのかただ単に付けたいものを付けたいだけ適当に付けているのか、ゴチャゴチャと身に付けていてそれらも重く見えるくらいには細身であった。
そしてなんと言っても彼がこんなにも連日騒がれている理由は体型も去ることながら、抜群のスタイルに引っ下がっている顔面の偏差値の高さのせいだろう。
そんじょそこらの所謂「イケメン」呼ばれるような容姿どころの騒ぎでは無いのである。
純粋な日本の血では無いのか、瞳の色はグレーと碧色を混ぜて水を多く含めた水彩絵の具のような、透明感溢れる宝石よりも美しい色をしていた。
それを縁取るまつ毛や眉毛も黒ではなく、色素の薄い茶色であるから恐らく元々の色素が薄いのだろう。
肌の色も勿論白く、血管は青く浮き出るような透き通ったきめ細やかな肌をしていた。
きっと、彼の器一つ一つが端整に造られた唯一無二の芸術作品のような何とも形容しがたい美しさ、端正さであるからこんなにも芸能人でもないのに騒がれているのだろうと思う。
自分もそこまで悪い容姿ではないと思ってはいるが、やはりあれ程どこの角度から見ても整っていると毎朝鏡見るだけで一日幸せな気分になれるのではないか、だなんて真宏は素直に羨ましく思った。
「真宏、まぁたうさ先輩の事考えてんの~?」
学校一のモテ男の分析を冷静に心の中で行っていると、呆れた顔をした友人の、ハゼ──枦木 日向(はぜき ひなた)──が顔を覗かせた。
「別に、考えてないよ」
「今時ツンデレは流行らないんじゃない?」
「そんなつもりないですけど」
真宏がムッとして言い返すと、ハゼは「はいはい」言いたげにケラケラ笑った。
「ねぇ隆ちゃんからも言ってやんなよ~。うさ先輩は手に入らないって」
ハゼの言葉を聞いた久我は携帯に向けていた顔を上げ、真宏を捉えた。
「あの人が好きなのは尻軽ビッチで巨乳な女だぜ、真宏」
久我は至って真剣に真宏を見つめそんな事を言う。
真宏は溜息を吐いてじろり、と睨んだ。
「うるっさいなぁ。そんなつもりないって言ってるだろ」
少し強めに言えば、ハゼが呆れたように頬杖をついて真宏を半目で見つめた。
「だって真宏、いつから片思いしてんの」
「だから、そんなんじゃないってば!」
この二人がここまで真宏を弄ってくるようになったのには理由があった。
それは今から丁度三ヶ月程前の入学式の日の朝の満員電車での出来事を話してからだった。
「今日もうさ先輩はかっこいいねぇ~」
「足も長いし、髪赤いのも似合ってるし」
「あんなに柄悪そうなルックスなのに話しかけるといつもニコニコしてくれるし」
「甘い声に関西弁のギャップ!」
「勉強も、運動も申し分ないしさぁ」
「まぁそこまでは完璧だけど……」
「付き合いたいとは思わないよねぇ~!!」
賑やかな教室で、一際響く窓際ではしゃぐ女子生徒達の甲高い声。
窓の外、校門から昇降口まで続く道をのんびり社長登校して来る派手な容姿の男子生徒は、クラスの女子のみならず恐らく全学年の生徒の注目の的らしい。
外見が派手だから……と一言で言ってしまうのは簡単だが、まあ結局はルックスが抜群に良いのだ。
染めている赤い髪は傷んでおらず艶やかで、スラリとした180センチはゆうに越えるであろう高身長で手足は細く長い。
流石に華奢というわけではないらしいがお世辞にもガタイ良いとは言い難い細さの為か、モデル体型というよりかは少々不健康さを感じる体型である。
そんな細い身体にワイシャツをラフに羽織り、ズボンもゴツイベルトのせいかダボついて見えていた。
腕につけてるアクセサリーや、指輪、ピアスも美意識なのかただ単に付けたいものを付けたいだけ適当に付けているのか、ゴチャゴチャと身に付けていてそれらも重く見えるくらいには細身であった。
そしてなんと言っても彼がこんなにも連日騒がれている理由は体型も去ることながら、抜群のスタイルに引っ下がっている顔面の偏差値の高さのせいだろう。
そんじょそこらの所謂「イケメン」呼ばれるような容姿どころの騒ぎでは無いのである。
純粋な日本の血では無いのか、瞳の色はグレーと碧色を混ぜて水を多く含めた水彩絵の具のような、透明感溢れる宝石よりも美しい色をしていた。
それを縁取るまつ毛や眉毛も黒ではなく、色素の薄い茶色であるから恐らく元々の色素が薄いのだろう。
肌の色も勿論白く、血管は青く浮き出るような透き通ったきめ細やかな肌をしていた。
きっと、彼の器一つ一つが端整に造られた唯一無二の芸術作品のような何とも形容しがたい美しさ、端正さであるからこんなにも芸能人でもないのに騒がれているのだろうと思う。
自分もそこまで悪い容姿ではないと思ってはいるが、やはりあれ程どこの角度から見ても整っていると毎朝鏡見るだけで一日幸せな気分になれるのではないか、だなんて真宏は素直に羨ましく思った。
「真宏、まぁたうさ先輩の事考えてんの~?」
学校一のモテ男の分析を冷静に心の中で行っていると、呆れた顔をした友人の、ハゼ──枦木 日向(はぜき ひなた)──が顔を覗かせた。
「別に、考えてないよ」
「今時ツンデレは流行らないんじゃない?」
「そんなつもりないですけど」
真宏がムッとして言い返すと、ハゼは「はいはい」言いたげにケラケラ笑った。
「ねぇ隆ちゃんからも言ってやんなよ~。うさ先輩は手に入らないって」
ハゼの言葉を聞いた久我は携帯に向けていた顔を上げ、真宏を捉えた。
「あの人が好きなのは尻軽ビッチで巨乳な女だぜ、真宏」
久我は至って真剣に真宏を見つめそんな事を言う。
真宏は溜息を吐いてじろり、と睨んだ。
「うるっさいなぁ。そんなつもりないって言ってるだろ」
少し強めに言えば、ハゼが呆れたように頬杖をついて真宏を半目で見つめた。
「だって真宏、いつから片思いしてんの」
「だから、そんなんじゃないってば!」
この二人がここまで真宏を弄ってくるようになったのには理由があった。
それは今から丁度三ヶ月程前の入学式の日の朝の満員電車での出来事を話してからだった。

