と言うわけで、二人して同じものを頼み、同じものを食べ、お腹を満たした。
次に向かったのは標高が上がるにつれて涼しい風が吹いている場所。まずはロープウェイへと向かい、大涌谷の火山煙を眺め、日記に書いてあったことを思い出した。
『ものすごい硫黄の匂いがした。地球が生きてるって感じもしたし、目の前が真っ白の煙で包まれる瞬間、なんだか不思議な世界に迷い込んだみたいでワクワクした。』
鼻を突く匂いの中、白煙を見つめる。アキもこの煙の中に立っていた。そんなことを考えていたら風が吹いて煙が晴れた。その瞬間、僕の視界と、数日前のアキの視界が重なった気がした。彼女の見たものと同じ白、同じ景色を、居間僕の網羅が捉えている。
アキの日記の続きを読む。
『名物の黒たまごを食べた。真っ黒でびっくりしたけど、中は普通にゆで卵で美味しかった。』
僕もアキが持ち帰った残りを食べたけど、美味しかった。でも、出来立ても食べてみたいとも思った。
「黒たまご食べようぜ」
駿がそう言うので、一緒に食べることにする。ここの黒たまごは一個売りをしておらず、四個からしか買えない。駿一人で四個も食べることはできないだろうと思い、一緒に食べることにした。
出来立てはまた味が違くて美味しかった。どっちが美味しいかと言われたら、僕には答えることができない。
お土産屋のガラスに映る僕の顔を見る。この顔の奥に、あの愛おしい日記を書いたアキがいる。抱きしめることも、手を繋ぐこともできないけど、僕とアキは大涌谷の風を同じ肌で受け止めている。同じ体なのだから当たり前かもしれないけど。
夕方になり、温泉の入れるところまで来た。
日記には温泉の場所までしっかりと書かれていたので、同じところに行くことにした。
箱根湯本駅から静かに滑り出した送迎バスは、木々の葉っぱが重なる山道をゆっくりと登って行く。日常の喧騒が、車窓を流れる緑の濃淡に溶けていくようだった。
たどり着いた場所は森の中にひっそりと佇む古民家のようだった。中に入ると僕が今住んでいるおばあちゃんの家と似たような匂いがした。
駿と一緒に大浴場へと向かい、暖簾をくぐる。
そこには箱根の豊かな自然と一体になれる贅沢な空間が広がっていた。
「すげぇ…」
次に向かったのは標高が上がるにつれて涼しい風が吹いている場所。まずはロープウェイへと向かい、大涌谷の火山煙を眺め、日記に書いてあったことを思い出した。
『ものすごい硫黄の匂いがした。地球が生きてるって感じもしたし、目の前が真っ白の煙で包まれる瞬間、なんだか不思議な世界に迷い込んだみたいでワクワクした。』
鼻を突く匂いの中、白煙を見つめる。アキもこの煙の中に立っていた。そんなことを考えていたら風が吹いて煙が晴れた。その瞬間、僕の視界と、数日前のアキの視界が重なった気がした。彼女の見たものと同じ白、同じ景色を、居間僕の網羅が捉えている。
アキの日記の続きを読む。
『名物の黒たまごを食べた。真っ黒でびっくりしたけど、中は普通にゆで卵で美味しかった。』
僕もアキが持ち帰った残りを食べたけど、美味しかった。でも、出来立ても食べてみたいとも思った。
「黒たまご食べようぜ」
駿がそう言うので、一緒に食べることにする。ここの黒たまごは一個売りをしておらず、四個からしか買えない。駿一人で四個も食べることはできないだろうと思い、一緒に食べることにした。
出来立てはまた味が違くて美味しかった。どっちが美味しいかと言われたら、僕には答えることができない。
お土産屋のガラスに映る僕の顔を見る。この顔の奥に、あの愛おしい日記を書いたアキがいる。抱きしめることも、手を繋ぐこともできないけど、僕とアキは大涌谷の風を同じ肌で受け止めている。同じ体なのだから当たり前かもしれないけど。
夕方になり、温泉の入れるところまで来た。
日記には温泉の場所までしっかりと書かれていたので、同じところに行くことにした。
箱根湯本駅から静かに滑り出した送迎バスは、木々の葉っぱが重なる山道をゆっくりと登って行く。日常の喧騒が、車窓を流れる緑の濃淡に溶けていくようだった。
たどり着いた場所は森の中にひっそりと佇む古民家のようだった。中に入ると僕が今住んでいるおばあちゃんの家と似たような匂いがした。
駿と一緒に大浴場へと向かい、暖簾をくぐる。
そこには箱根の豊かな自然と一体になれる贅沢な空間が広がっていた。
「すげぇ…」

