ウツシアイ

今日は部活…と言っても橘先輩の試合の応援をしに行く。強制ではないにしても行かないと失礼だと思ったので駿と約束をして一緒に行くことになっている。
いつものように家に駿が迎えにきてくれたのだが、支度をしてないので「支度してないからちょっとリビングで待ってて。これ食べてていいから」とアキの土産を一つ彼に渡した。
十分ほどして支度が完了して、リビングに戻ると、おばあちゃんと駿が何やらおしゃべりをしていた。
「ごめん、待たせた」
「それじゃあ行こっか」
椅子から立ち上がり、カバンを持って僕のおばあちゃんに軽く挨拶をした。
家から出ていつものように歩いてバス停に向かう。
「ちょっと頼みがあるんだけど。いいか」
バス停まで長い道のりで僕は駿にそう話しかけた。
「珍しいな。どうした?」
「来週のどっかの部活がオフの日にさ。俺と一緒に箱根行かないか?」
「箱根って…アキが行ってきたんだろ?」
「なんで知ってんだよ。昨日の今日だぞ」
「いや、さっき食ったやつとか、おばあさんから聞いたんだよ」
普通に考えたらそれはそうかとなった。
「とにかく、日記読んでたら行きたくなったんだよ。行けるか?」
「いいよ。日帰りだろ?」
「そのつもりだよ。具体的な日付はアキのこととかあるからまだわからないからいつでも行ける準備しておいてほしい」
「わかってるよ」
「ありがとう」
そんな会話をしていたらバス停に着いたので、バスに乗り、電車に乗り、会場に向かう。
僕らは六月に行われた予選で負けてしまったけど、橘先輩だけが全国大会出場をしており、それの応援に来たのである。
「来てくれたのか。ありがとう」
僕らが会場に着くと、真っ先に駆け寄ってきたのが、駿が思いを寄せていた橘先輩だった。
「もちろんですよ。今日は頑張ってくださいね」
「ありがとう。後輩にいいところ見せないとな」
僕らは会場の応援スペースに行くと意外にもうちの高校のバドミントン部の人が来ていた。それと、人気者の先輩らしく、学校のファン?らしき人たちもたくさんきていた。
一時間ほどして、橘先輩の試合が始まった。
僕らは全力で応援した。喉が枯れるまで必死に。前に苦手と話したけど、それでもお世話になった人であることに変わりはない。