ウツシアイ

「初めて知った。なんかアキのこともっと知りたくなった」
日記に書かれていることが嘘だとは思ってない。それでも、もっと彼女のことを知りたい。
「いいぜ、俺が知ってることなら教えてあげるよ。というか、今日はもう疲れたし、勉強終わりにしようぜ」
駿の提案で勉強を終わらせ、ここ最近のことというより、彼女を一番近くで見てきた駿から見て、思っている彼女のことを色々聞いた。
休み時間とかは一人でずっと勉強したり、読書をしているらしい。駿も話しかけようとしても、集中しているから邪魔できないのだとか。でも僕と同じで一緒には帰っているらしい。運動は苦手。でも、嫌いではなくむしろ体を動かすのは好きらしい。部活のバトミントンも毎日個人練習には参加しているらしい。そして、いちごミルクが好きとのこと。
「なるほどなぁ。なんか初めて聞いたことばっかりだし、僕の中のイメージと少しだけ違ったからなんか新鮮」
「そういうのも含めて日記で共有してるかと思ってたんだけど、日記にはそういうこと書かないのか?」
「あくまであの日記はその日の出来事とか、それこそテストがあるとかそういう連絡事項しか書かないかな」
「じゃあ、サクのこともアキに話さないとな」
そう言って駿は嫌な顔をしながら笑った。
「あんまり余計なこと言うなよ」
正直、少しだけ自分のことを知って欲しいだなんて思ってしまって、思わずそう返してしまった。
「二人が別々の人間として出会ってたらよかったのになぁ」
「な、なんでそう思うんだ?」
「普通に三人で仲良く友達してたかったってこと。別に深い意味はないよ」
「そっか」
このまま彼に話してしまおうか考えたが、怖くてそんなことできない。彼が僕のことを気持ち悪いとおもう事はないにしても、引かれてしまう気がした。
それから僕はイベントがあった日。主に学校とか、元々僕と遊ぶ予定だった日に代わりにアキに行ってもらった時の写真なんかを見せてもらった。見て思ったのはそこに写っているのは僕なのに。僕じゃないという不思議な感覚と、駿がさっき言っていた、僕と彼女が別々の人間だったらという言葉についての僕も同じことを今思ってしまった。
それから家に帰り、すぐに日記を開き、ペンを持った。

『六月二十八日
今日は駿と試験勉強をした。