「お、篠原ー、今日誕生日かー?」
ひらけた視界からまっつんと目が合う。
とくん、と心臓が小さくはねる。
「そうでーす」
隣で陽気に返事をする友だち。
クラスメイトもこちらに注目して「おめでとー」と祝福が飛び交う。
「いくつになったー?」
「17でーす。って高2なんだからわかるでしょ!」
「それはそうだ……いや、留年してたら17じゃないかもしれないぞ?」
「してません!」
あはははは、と笑い声が広がる。
まっつんも朗らかに笑う。
太陽みたいにまぶしくて、爽やかで、麗しくて思わず目を細めた。
「おめでとう、篠原」
まっすぐで一切の濁りのない透き通った声は、嫌でもわたしの耳にすっと届くし、嫌でもわたしの心臓を突き刺す。
「……どうも」
最前列の中央のわたしの席、教卓はすぐそこ。
小さくつぶやいても、周りが騒がしくても、まっつんはちゃんとわたしの声を拾ってくれる。
目尻にしわを作ってにっこり笑顔をくれたまっつんは教卓に両手をついて教室を見渡す。

