昨日の夕飯後とお風呂上がりと寝る前も、何度もママにお願いした。
日付が変わった瞬間に来たお祝いメッセージは返信したいからって。
もしかしたら目覚まし時計だけで起きれないかもしれないから、7時までにリビングにいなかったら部屋に起こしに来てほしいって。
昨日あれだけ何度も説明したのに。
「ごめんねって。まあ一日くらい遅刻したって大丈夫よ、ヨリ子は成績優秀だから先生も取り合ってくれるんじゃないかしら」
「はあ、そういう問題じゃないっつーの!もういい!」
「ええ、朝ごはんは?せっかく今日はヨリ子の好きなオムレツなのに……」
「時間ないから!」
食卓には白米とお味噌汁とオムレツと漬物が並べられている。
ぐう、とお腹が鳴って誘惑に負けたわたしはオムレツだけつまむ。
あ、うまい。
思わず声に出そうになってこらえる。
今はママにイラついてるの、わかってほしい。
「あっねえそれ味どう?このレシピでやってみたんだけど――……」
ママが何かごちゃごちゃ言ってるけど、それをフル無視して急いで玄関に行く。
ローファーに足を突っ込んでトントンつま先ふた蹴り。
いってらっしゃーい、というママの声を跳ね返すように勢いよくドアを閉める。
バタン、と怒りにまかせた音を背後に、見慣れた通学路をひたすら走った。

