誕生日



――――ピピピピピ、ピピピピピ、……


「ん……」


目覚まし時計を止める。

もう少し寝たい……でもいま何時だっけ。

うっすら目を開いて確認すると、わたしの思考回路は停止する。


7時45分。

え。


「うわああああ!寝坊じゃん!」


あと15分で家を出なければ遅刻してしまう。

慌ててベッドから起き上がってほぼ反射的にパジャマを脱ぎ捨てる。

着慣れた制服に袖を通して、クローゼットの扉の裏に貼り付いている全身鏡で後ろ姿をチェックする。

あー、スカートのしわ、もっと綺麗に伸ばしたい。
なにこれ、ちょっと糸もほつれてる、切りたい。

ちら、と時計を見てそんな時間は皆無なことを再確認。

最悪だ。せっかくの誕生日なのにろくな身じたくもできないなんて!

バタバタとリュックに必要なものを詰め込んで背負いリビングへ走ると、ママはキッチンで呑気にレシピ本とにらめっこしている。