誕生日



「松下先生いらっしゃいますか」

「ほーい」


のんびりと気の抜けた声がした。


「失礼します」


まっつんの席はドアから左側の島の中央。
パソコン画面に向かってカタカタ何かの作業をしていた。

すみません、と声を掛けると手を止めてこちらを向いて。


「お、これはこれは。今日が誕生日の篠原、どうしたー?」


誕プレは用意してないぞ、なんて冗談かまして自分でハハッと笑ってる。

変な人。


「あの、すみません、今日提出期限だったプリント家に忘れちゃって。明日必ず持ってくるので待ってもらえませんか?」

「プリント?……あー、そうだった、今日までだったか」


うわ、まっつんも忘れてたんだ。
だったら明日朝イチでしれっと教室に設置された提出ボックスに入れてもバレなかったかもしれない。