サイラスの言った通り、午後になると大量のリンゴが届けられた。
さて、大量のリンゴを前にして、どうしたものかと考える。
キッチンを見渡すと、ちょうどよさそうなものが多く揃えてあった。
幸い自分だけの時間はたっぷりある。
まずは瓶の煮沸消毒だ。
さすがに型までは用意されていなかったので、スティック状に形どったアップルパイと、リンゴのジャムをたくさん作った。
明日、サイラスへお礼にあげよう。
そんなことを考えながら、夜遅くになってベッドに入った。
朝食用にひとつ残していたリンゴを食べた後、まずは庭師のところへ向かった。
アップルパイを差し入れすると、年配の庭師は喜んでくれた。その場にいた弟子の方ももらってくれた。
続いて図書館に向かう。
コンラッドの他にも、数人司書の人がいたのには驚いたが、みんなアップルパイを受け取ってくれた。
時々別館に様子を見に来てくれていた侍女の方にもお会いできたので、アップルパイとジャムを渡すことができた。
そんなふうに、お話したことのある方々に配っていたら、残りは1つになった。
エルランド王子が召し上がることはないだろうから、後はサイラスにあげたいと思い、庭を歩き回ったが、今朝に限って見当たらない。



