最近読んだ書物のことや、好きなものなど、聞かれるがまま答えた。
エルランド王子もオルグレン王国のいろんな話を聞かせてくれた。
その間、後ろにいる男は一言も言葉を発することなく、ただ黙って会話を聞いていた。
どのくらい時間が経っただろうか?
とても楽しくてつい話し込んでしまった。
「わたし、そろそろ失礼いたします。『友人』も探しているかもしれませんから」
「ああ、そうですね。お引き止めしてしまって失礼しました」
「素敵な方とお会いできることをお祈りしています」
そうして、その場を後にした。
広間に戻ると、早速ミラベルが駆け寄ってきた。
「セシリア、どうしよう!」
「ミラベル様、どうされたんですか?」
ミラベルは頬をピンク色に染めて言った。
「ザカリー様にお茶会に誘われたの!」
嬉しそうにそう言うミラベルは本当に可愛い。ザカリー王子が誘いたくなるのも無理はない。
「良かったですね」
そう言ったわたしの言葉は、おそらくミラベルの耳には入っていないと思われた。
ミラベルはもう既にお茶会に着ていくドレスのことで頭がいっぱいのようだったから。



