「お客さんやばいんだって? 文芸部」
県立岡崎南高等学校、通称・岡南高校の文化祭は、十一月中旬の金曜日と土曜日の二日間に渡って開催されている。金曜日は在校生だけで、土曜日は一般のお客さんもやってくる開放日。
そういう意味では、本番は土曜日――つまるところ今日みたいなものなんだろうけど。
展示をしている、二年五組の教室の片隅で。休憩をしていた俺のところに、仲野は興味津々の顔で近付いてきた。
文芸部の盛況さは、すでに噂になっているらしい。
「あー、ね」
仲野の言うやばい店番を終えて戻ったばかりだったので、返答がついつい苦笑いになる。まぁ、宵がシフトに入ってる今は、もっとやばいと思うけど。
「いや~、なんて言うの。去年はうちの部誌、二十部も捌けなかったんだけど。今年は大先生がいるからさ」
――高校生のイケメン作家の人って誰ですか? その人から買いたいんですけど。あ、二時からならいる? じゃあ、そのときに来まーす。
――あ、あ、あの、宵先生にお手紙を渡したくて。あと、できればサインをいただきたくて。……え、今、いないんですか? 出直します。
ちなみに、この二例は、マシなほうの氷山の一角だ。いや、本当に。マジでずっとこうだったのよ。一周回って、笑えるくらい。
そんなわけで、俺は再度、苦笑を浮かべた。
「県立高校の文化祭に来る客層じゃなくね? みたいな人が山盛りで。それがやばかったっていうか」
部誌を販売している部室の外まで、行列ができそうになったというか。あーあ、という気分で、教室の床に置いていたペットボトルを手に取る。
これも、ちなみに、だけど。一緒に店番をした先輩は、作家先生の新刊発売のサイン会じゃないんだけど、とうんざりした顔で呟いていた。
まぁ、わからなくはないんだけど。もやりとした感情をジュースと一緒に押し流していると、「でも、すげぇよな」と仲野が笑う。
「イケメン作家さまさまじゃん。売上すごかったら、山分けになんの?」
「いや、いや。ふつうに部費になるだけだから」
「あ、そうなの?」
「そうだよ。だって、一応、ちゃんと部活だもん」
早い話が、利益が出るような値段設定にはしていないということだ。つまり、一般部員の労力と気力を失っているだけの現状。
……ちゃんとやってっかな、あいつ。
店番中のはずの宵の社会性を心配していると、教室の出入り口から「日生くん」と俺を呼ぶ声がした。同じ文芸部の二年生の女の子。
仲野にビビっている様子を察知し、ペットボトルを置いて立ち上がる。文芸部の女の子、おとなしい……というか、内弁慶な子が多いんだよな。
「なに、どうしたの?」
「あ、えっと。シフト外にごめんね」
出入り口までやってきた俺にほっとした態度で、その子が言う。
「文芸部なんだけど、ちょっと手伝ってくれないかな」
「いいけど。そんなにやばいの? 今のシフトって、宵だよね。あと林先輩? と、佐畑さんか」
佐畑さんというのが、俺を呼びに来た子の苗字だ。仲野にひらりと手を振って、佐畑さんと一緒に歩き出す。
文化祭本番の土曜日の校舎は、白黒だらけのいつもと違い、なんだか妙にカラフルだった。少し進んだところで、佐畑さんが口を開く。
「お客さんがやばいっていうか……」
「うん」
「これ悪口じゃないんだけど、蓮見(はすみ)くんって真面目だよね。融通が利かないっていうか」
これ悪口じゃないんだけど、から始まる構文で、悪口じゃないことってあるんだろうか。蓮見くん。蓮見宵。うちの学校の有名人の、イケメン作家さま。
だが、そんな指摘をできるわけもなく。俺は適当な相槌を打った。
「あー、まぁ、そういうとこあるよな。あいつ」
「そうなの。サインはしません、ものは受け取りませんの一点張りで。しかも、いつもの真顔だし。すみませんみたいな顔するだけで、お客さんの受け取り方は違うと思うんだけどな」
「あー……」
「部長が来てくれて、空気はちょっとマシになったけど。本当、やばかったよ。林先輩、わたしの隣でめちゃくちゃ苛々してるし」
「あー……、ねぇ」
想像の容易すぎる光景に、曖昧な相槌を繰り返す。つまり「手伝って」というのは、宵の手綱を握れってことなんだろうな。
苦笑いの俺に、佐畑さんは続けて吐き出した。
「もう、本当、ちょっとでいいから読んでほしいよ、空気。本出してるのはすごいと思うけどさ。羨ましー、『高校生作家』」
「…………」
「あ、でも、部室の前に『サインはできません』って目立つように張り紙したら、マシになったんだけどね。ほら、行列も……」
できてないでしょ、と言おうとしたらしい佐畑さんの声が途切れる。少し先にある文芸部の部室から、男の人の声が聞こえたからだ。
ドアが開いているにしてもちょっと大きい、苛立ったようなそれ。
せっかく来たのに、だの、もったいぶって、だの、漏れ聞こえる文句のオンパレードに、佐畑さんに「ごめん」とお願いをする。
「大丈夫だと思うけど、先生呼んできてもらってもいい?」
「あ、……うん。そうだよね。そうする!」
「よろしく~。俺はちょっと様子見てくるから」
焦った顔で頷いた佐畑さんを安心させる調子で笑い、俺は文芸部の部室に向かった。
部長もいるらしいし、大丈夫だと思うけど。男が多いに越したことはないだろう。さっきまで店番をしていたからわかるけど、文芸部は、縦に長い部室の入り口近くに長机を設置して、部誌の販売をしている。
だから、ひょいと顔を出せば、すぐに文句を言っている男の人の背中が見えた。相手をしているのは部長で、宵と林先輩はパイプ椅子に座ったままだ。
それで、部室の奥のスペースにはたまたま来ていたのか、林先輩が呼んだのか、女の先輩たちが何人か。でも、みんな、驚いて固まっている。……宵は、しらっとした顔をしてるけど。
いや、本当、なにやってんだよ、おまえ。心の底から、俺は思った。
もうちょっと「らしい」態度があるんじゃないの? 不可抗力だとしても、騒ぎの中心はおまえなんだからさ。
呆れたものの、あーあという感情は呑み込んで。「よけいな口挟むなよ」という視線だけを宵に送る。
小さく頷いたのを確認して、俺は、ぽんと男の人の肩に叩いた。
「お兄さん」
勢いよく振り向いたオタクっぽい顔が、俺を見てぎょっとする。うん、わかるよ。俺は生ぬるく同意を示した。もちろん、内心で、だけど。
髪の毛も明るいし、制服も着崩してるし、文芸部らしからぬ見た目してるよな。それで、俺みたいなタイプが苦手なんだよな。
部長みたいな優しくて真面目なタイプや、女の人には強く出ることができるけど。承知した上で、俺はにこりとほほえんだ。
「うちの先生のサイン欲しがってくれるのはありがたいんだけどさ。高校の決まりでやってないの、そういうこと。看板にも書いてあったでしょ?」
正直なところ、半分くらいは嘘だったんだけど。自分に反論しないと踏んだ相手にだけキレる人種には、優位性を主張してきっぱり否定する方法が有効だ。
これ、ファミレスのバイトから得た俺の処世術。泳いで離れようとする視線を許さず、俺はにこにこと畳みかけた。
「高校で禁止だから、今、先生も呼びに行ってるんだけど。どうする? それ、買ってくれるだけだったら歓迎するけど」
その人が持っていた部誌を示せば、慌てたように弁明が始まる。
「あ、いや、うん。じゃあ、いいや。サインが欲しかっただけだし。それもべつに高校生作家っていうから、ちょっと興味持っただけで。素人の高校生が書いた小説なんて入ってても読まないから」
早口言葉なんじゃないかなっていう感じ速度の捨て台詞と一緒に、その人はぽいと部誌を手放した。嘘。正確に言うと、放り投げるに近かった。あ、と手を伸ばす間もなく宙を舞った部誌が、部室の床に落ちる。
部室は、いつのまにか完全に静まり返っていた。みんなの視線は、ぐちゃりと落ちた部誌に釘付けになっている。
……ヤバすぎだろ、高校生相手に。文化祭で。
心の底から、俺は呆れた。でも、みんなは純粋にショックを受けたみたいだった。部外者がいなくなっても、誰も動こうとしない。
しかたなく、俺は軽い口調で、はは、と笑った。
「いや~、すごかったっすね、なんか」
ついで、床に落ちていた冊子を拾い上げる。
いや、マジ。高校生イケメン作家っていう言葉だけがひとり歩きしすぎなんだよな。パンパンとついてもいないほこりを払っていると、ぽつりと林先輩が呟いた。
「……だから言ったんじゃん」
今にも泣きそうなそれに、女子の中で同調する雰囲気が広がっていく。
でも、非難の矛先が向いたのは、ヤバい客じゃなかった。先輩たちの矛は、涼しい顔で座る宵をじわじわと包囲し始めている。
自分たちが恥をかいたのは、規格外の天才が入り込んできたからだ。宵がもともと不純物だったような、そんな空気。
……でも、おかしいだろ、それは。
気持ちが百パーセントわからないとは言わないけど、それでも。自分の指のかたちに表紙が凹んでいることに気づかないまま、冊子を握りしめる。
心のどこかで、評論にしておいてよかった、と最悪なことを考えながら。
最年少受賞。イケメン。現役高校生。宵を彩る言葉は馬鹿みたいにたくさんある。でも、そんなものがなくても、宵が書いた話は。宵の話は――。
いや、なんで、俺がこんなぐちゃぐちゃ考えてんの。
県立岡崎南高等学校、通称・岡南高校の文化祭は、十一月中旬の金曜日と土曜日の二日間に渡って開催されている。金曜日は在校生だけで、土曜日は一般のお客さんもやってくる開放日。
そういう意味では、本番は土曜日――つまるところ今日みたいなものなんだろうけど。
展示をしている、二年五組の教室の片隅で。休憩をしていた俺のところに、仲野は興味津々の顔で近付いてきた。
文芸部の盛況さは、すでに噂になっているらしい。
「あー、ね」
仲野の言うやばい店番を終えて戻ったばかりだったので、返答がついつい苦笑いになる。まぁ、宵がシフトに入ってる今は、もっとやばいと思うけど。
「いや~、なんて言うの。去年はうちの部誌、二十部も捌けなかったんだけど。今年は大先生がいるからさ」
――高校生のイケメン作家の人って誰ですか? その人から買いたいんですけど。あ、二時からならいる? じゃあ、そのときに来まーす。
――あ、あ、あの、宵先生にお手紙を渡したくて。あと、できればサインをいただきたくて。……え、今、いないんですか? 出直します。
ちなみに、この二例は、マシなほうの氷山の一角だ。いや、本当に。マジでずっとこうだったのよ。一周回って、笑えるくらい。
そんなわけで、俺は再度、苦笑を浮かべた。
「県立高校の文化祭に来る客層じゃなくね? みたいな人が山盛りで。それがやばかったっていうか」
部誌を販売している部室の外まで、行列ができそうになったというか。あーあ、という気分で、教室の床に置いていたペットボトルを手に取る。
これも、ちなみに、だけど。一緒に店番をした先輩は、作家先生の新刊発売のサイン会じゃないんだけど、とうんざりした顔で呟いていた。
まぁ、わからなくはないんだけど。もやりとした感情をジュースと一緒に押し流していると、「でも、すげぇよな」と仲野が笑う。
「イケメン作家さまさまじゃん。売上すごかったら、山分けになんの?」
「いや、いや。ふつうに部費になるだけだから」
「あ、そうなの?」
「そうだよ。だって、一応、ちゃんと部活だもん」
早い話が、利益が出るような値段設定にはしていないということだ。つまり、一般部員の労力と気力を失っているだけの現状。
……ちゃんとやってっかな、あいつ。
店番中のはずの宵の社会性を心配していると、教室の出入り口から「日生くん」と俺を呼ぶ声がした。同じ文芸部の二年生の女の子。
仲野にビビっている様子を察知し、ペットボトルを置いて立ち上がる。文芸部の女の子、おとなしい……というか、内弁慶な子が多いんだよな。
「なに、どうしたの?」
「あ、えっと。シフト外にごめんね」
出入り口までやってきた俺にほっとした態度で、その子が言う。
「文芸部なんだけど、ちょっと手伝ってくれないかな」
「いいけど。そんなにやばいの? 今のシフトって、宵だよね。あと林先輩? と、佐畑さんか」
佐畑さんというのが、俺を呼びに来た子の苗字だ。仲野にひらりと手を振って、佐畑さんと一緒に歩き出す。
文化祭本番の土曜日の校舎は、白黒だらけのいつもと違い、なんだか妙にカラフルだった。少し進んだところで、佐畑さんが口を開く。
「お客さんがやばいっていうか……」
「うん」
「これ悪口じゃないんだけど、蓮見(はすみ)くんって真面目だよね。融通が利かないっていうか」
これ悪口じゃないんだけど、から始まる構文で、悪口じゃないことってあるんだろうか。蓮見くん。蓮見宵。うちの学校の有名人の、イケメン作家さま。
だが、そんな指摘をできるわけもなく。俺は適当な相槌を打った。
「あー、まぁ、そういうとこあるよな。あいつ」
「そうなの。サインはしません、ものは受け取りませんの一点張りで。しかも、いつもの真顔だし。すみませんみたいな顔するだけで、お客さんの受け取り方は違うと思うんだけどな」
「あー……」
「部長が来てくれて、空気はちょっとマシになったけど。本当、やばかったよ。林先輩、わたしの隣でめちゃくちゃ苛々してるし」
「あー……、ねぇ」
想像の容易すぎる光景に、曖昧な相槌を繰り返す。つまり「手伝って」というのは、宵の手綱を握れってことなんだろうな。
苦笑いの俺に、佐畑さんは続けて吐き出した。
「もう、本当、ちょっとでいいから読んでほしいよ、空気。本出してるのはすごいと思うけどさ。羨ましー、『高校生作家』」
「…………」
「あ、でも、部室の前に『サインはできません』って目立つように張り紙したら、マシになったんだけどね。ほら、行列も……」
できてないでしょ、と言おうとしたらしい佐畑さんの声が途切れる。少し先にある文芸部の部室から、男の人の声が聞こえたからだ。
ドアが開いているにしてもちょっと大きい、苛立ったようなそれ。
せっかく来たのに、だの、もったいぶって、だの、漏れ聞こえる文句のオンパレードに、佐畑さんに「ごめん」とお願いをする。
「大丈夫だと思うけど、先生呼んできてもらってもいい?」
「あ、……うん。そうだよね。そうする!」
「よろしく~。俺はちょっと様子見てくるから」
焦った顔で頷いた佐畑さんを安心させる調子で笑い、俺は文芸部の部室に向かった。
部長もいるらしいし、大丈夫だと思うけど。男が多いに越したことはないだろう。さっきまで店番をしていたからわかるけど、文芸部は、縦に長い部室の入り口近くに長机を設置して、部誌の販売をしている。
だから、ひょいと顔を出せば、すぐに文句を言っている男の人の背中が見えた。相手をしているのは部長で、宵と林先輩はパイプ椅子に座ったままだ。
それで、部室の奥のスペースにはたまたま来ていたのか、林先輩が呼んだのか、女の先輩たちが何人か。でも、みんな、驚いて固まっている。……宵は、しらっとした顔をしてるけど。
いや、本当、なにやってんだよ、おまえ。心の底から、俺は思った。
もうちょっと「らしい」態度があるんじゃないの? 不可抗力だとしても、騒ぎの中心はおまえなんだからさ。
呆れたものの、あーあという感情は呑み込んで。「よけいな口挟むなよ」という視線だけを宵に送る。
小さく頷いたのを確認して、俺は、ぽんと男の人の肩に叩いた。
「お兄さん」
勢いよく振り向いたオタクっぽい顔が、俺を見てぎょっとする。うん、わかるよ。俺は生ぬるく同意を示した。もちろん、内心で、だけど。
髪の毛も明るいし、制服も着崩してるし、文芸部らしからぬ見た目してるよな。それで、俺みたいなタイプが苦手なんだよな。
部長みたいな優しくて真面目なタイプや、女の人には強く出ることができるけど。承知した上で、俺はにこりとほほえんだ。
「うちの先生のサイン欲しがってくれるのはありがたいんだけどさ。高校の決まりでやってないの、そういうこと。看板にも書いてあったでしょ?」
正直なところ、半分くらいは嘘だったんだけど。自分に反論しないと踏んだ相手にだけキレる人種には、優位性を主張してきっぱり否定する方法が有効だ。
これ、ファミレスのバイトから得た俺の処世術。泳いで離れようとする視線を許さず、俺はにこにこと畳みかけた。
「高校で禁止だから、今、先生も呼びに行ってるんだけど。どうする? それ、買ってくれるだけだったら歓迎するけど」
その人が持っていた部誌を示せば、慌てたように弁明が始まる。
「あ、いや、うん。じゃあ、いいや。サインが欲しかっただけだし。それもべつに高校生作家っていうから、ちょっと興味持っただけで。素人の高校生が書いた小説なんて入ってても読まないから」
早口言葉なんじゃないかなっていう感じ速度の捨て台詞と一緒に、その人はぽいと部誌を手放した。嘘。正確に言うと、放り投げるに近かった。あ、と手を伸ばす間もなく宙を舞った部誌が、部室の床に落ちる。
部室は、いつのまにか完全に静まり返っていた。みんなの視線は、ぐちゃりと落ちた部誌に釘付けになっている。
……ヤバすぎだろ、高校生相手に。文化祭で。
心の底から、俺は呆れた。でも、みんなは純粋にショックを受けたみたいだった。部外者がいなくなっても、誰も動こうとしない。
しかたなく、俺は軽い口調で、はは、と笑った。
「いや~、すごかったっすね、なんか」
ついで、床に落ちていた冊子を拾い上げる。
いや、マジ。高校生イケメン作家っていう言葉だけがひとり歩きしすぎなんだよな。パンパンとついてもいないほこりを払っていると、ぽつりと林先輩が呟いた。
「……だから言ったんじゃん」
今にも泣きそうなそれに、女子の中で同調する雰囲気が広がっていく。
でも、非難の矛先が向いたのは、ヤバい客じゃなかった。先輩たちの矛は、涼しい顔で座る宵をじわじわと包囲し始めている。
自分たちが恥をかいたのは、規格外の天才が入り込んできたからだ。宵がもともと不純物だったような、そんな空気。
……でも、おかしいだろ、それは。
気持ちが百パーセントわからないとは言わないけど、それでも。自分の指のかたちに表紙が凹んでいることに気づかないまま、冊子を握りしめる。
心のどこかで、評論にしておいてよかった、と最悪なことを考えながら。
最年少受賞。イケメン。現役高校生。宵を彩る言葉は馬鹿みたいにたくさんある。でも、そんなものがなくても、宵が書いた話は。宵の話は――。
いや、なんで、俺がこんなぐちゃぐちゃ考えてんの。



