穢れた龍神と生贄の花嫁

 信じられないという顔で翔澪が尋ねるが、風神は小さく首を振る。

「人間の中にはなぜか邪神を望む者も古くからいるからね。古くから研究が行われ、それがどうやら陰で受け継がれているようだ」
「お前の花嫁はお前の穢れを消した。もしかすると、邪神を望む人間が花嫁を邪魔に思って狙ってくるかもしれない。気をつけろよ」

 風神の言葉に雷神が続き、翔澪はその内容を聞いて怒りを露わにした。

「水夜を狙うだ?ふざけるなよ、人間風情が俺の花嫁に指一本でも触れられると思うてか」
「だが、邪神を創ろうとするような人間だ。甘く見ない方がいいだろう。お前が穢れ邪神になりそうだったのも、もしかすると関係しているかもしれない」

(翔澪様が邪神になりかけていた?しかも、それが誰かの狙いだった?)

 水夜は驚愕の眼差しで翔澪を見る。翔澪は怒りがおさまらないのだろう、力が漏れ出ているのか目はキラキラと輝き、肌に輝く鱗が現れ始めている。

「俺を故意に穢れさせ、それが失敗したから今度は他の方法で邪神を創ろうとしているだ?ふざけやがって!いいだろう、もし水夜を狙ってくるようなことがあれば返り討ちにしてやる」