穢れた龍神と生贄の花嫁

 翔澪がそっと水夜の髪の毛を耳にかけ、しっかりと目を見つめながら諭すように言う。

「何があってもお前は俺の側にいるんだ。それ以外は認めない」

 少しだけムッとしながら翔澪は水夜を抱きしめた。そんな翔澪の言葉に、水夜はそっと目を瞑り、翔澪に体を預ける。

「……私も、どんなことがあっても翔澪様の側を離れたくありません」

 水夜はそう言って翔澪の背中に手を回し、そっと着物を掴む。その言葉と反応に、翔澪は嬉しそうに微笑み強く水夜を抱きしめた。

「だったら余計なことは考えず、俺のことだけを考えていてくれ」

 翔澪の言葉に水夜が翔澪の腕の中で小さく頷くと、翔澪は体を離して水夜の顔を覗き込んだ。

「よし、それじゃ町を歩こう。水夜と一緒に歩きたかったんだ」