穢れた龍神と生贄の花嫁

「そうか」

 水夜の返事を聞いて翔澪はご機嫌そうに笑う。

「よし、畑も綺麗になったことだし、一緒に街へ行ってみようか。ここで掃除ばかりして水夜に飽きられてしまっては困るからな」

(私は飽きたりしないのに。でも、翔澪様と街を歩けるなんて、なんだか楽しそう)

 水夜がそう思っていると、翔澪は水夜へ片手をかざす。すると、水夜の着ていた掃除用の着物が変わり、美しく鮮やかな着物に変化していた。
 翔澪は水夜の髪を結んでいた美しいオーロラ色のリボンをほどき、水夜の手首に優しく結ぶ。それから翔澪の着ていた着物も綺麗な着物に変化し、翔澪は満足そうに頷いた。

「よし、支度は整った。それでは出かけよう」

 そう言って翔澪が澪の片手を取り、歩き出そうとしたその時。どこからともなく、祝詞を読み上げる声が聞こえてくる。

(これは、お父様の声!?)

 水夜はハッとして翔澪を見ると、翔澪は眉間に皺を寄せて小さく舌打ちした。