穢れた龍神と生贄の花嫁

*


 食事が終わり、夜になって寝る時間になった。水夜は自分の部屋のベッドの中で、なぜか翔澪に後ろから抱きしめられている。

(ど、どうしてこんなことになっているのかしら?)

「あ、あの、翔澪様。やっぱり別々に寝た方が……」

 水夜がためらいがちにそう言うと、翔澪はなぜか水夜を抱きしめる力を強める。

「こうして一緒に寝る方が俺の力の戻りが早い。水夜は俺にこうされているのが嫌なのか?嫌なら水夜の気持ちを尊重して俺は自分の部屋へ戻るが……嫌でないのなら、俺のためだと思って観念してくれ」
「う……嫌ではありませんし、翔澪様のためだと言うのであれば、仕方ないです」

 翔澪にそう言われてしまえば、嫌だとは言えない。水夜が困りながらも了承すると、翔澪は嬉しそうに微笑む。

「あの、ただこんな風に密着されているのは困ると言いますか……」
「困る?なぜだ?やはり嫌なのか?」

 翔澪の悲し気な声がして、水夜は言葉に詰まってしまった。

「いえ、あの、寝ている時に翔澪様を叩いたり蹴ったりしてしまうかもしれませんし……」
「水夜はそんなに寝相が悪いのか?大丈夫だ、別に少しくらい叩かれたり蹴られたりしても俺は平気だ。それに」

 そう言って、翔澪は水夜の肩へ顔を寄せてすりすりと摺り寄せる。

「こうして密着することでより水夜の清らかな気が俺に移り、俺の力が強まる。だからこれは必須だ」
「そう、なんですか……」