穢れた龍神と生贄の花嫁

 そう言って水夜を愛おしそうに抱きしめると、よし!と気合をいれる。

「今日の掃除はここまでにしよう。掃除したままの体でいるのは嫌だろう?人間は確か風呂に入るのだよな。水夜のおかげで俺の力が戻って来たから、浴室くらいは俺の力を使えば一瞬で掃除できる。綺麗にして湯を沸かして来るから、少し待っていてくれ」

 そう言って水夜から体を離すと、嬉しそうに別の部屋へ向かっていった。

「翔澪様……」

 翔澪がいなくなると、水夜は一人になった。綺麗になったリビングを見渡して、水夜は満足げに頷く。

(綺麗になってよかった!来た時とは場の気が全然違う。これだけ清らかなら、神様がいるのにふさわしい空間だと胸を張って言えるわ)

 水夜がそう思っていると、近くで何か物音が聞こえた。

(翔澪様かしら?)

 この屋敷には翔澪と水夜しかいないはずだ。そう思っていると、今度はさらにドンッ!と大きな物音がする。

(な、何!?)