木陰のベンチにぽつんと腰を下ろし、私は子どもたちに混ざって夢中で野球に興じる公平の姿をじっと眺めていた。
鋭い眼差しでバットを深く構える公平と、マウンドらしき場所で小さな体をいっぱいに使って、一進一退の真剣勝負を挑む子どもたち。
ピッチャーの少年が振りかぶる姿と、それに合わせて真剣な表情を作る公平の横顔を交互に見つめながらも、何の説明も受けていない私の眉間には、どんどん深くて頑固なシワが寄っていった。
なんなの、一体……。
なんで私、急に呼び出されてここで子どもたちの野球観戦させられてるの……?
公平の言動がうまく理解できず、思考がぐるぐると空回りして、胸の中のもやもやとした焦燥感ばかりがどんどん大きく膨らんでいく。
きっと周りから見たら、今の私は猛暑の暑さも手伝って、果てしなく不機嫌でぶさいくな顔をしているに違いなかった。
自分でも不機嫌そうな顔をしている自覚はあるのに、固まった表情をどうしても上手く崩すことができない。
カキーン―――。
バットの芯にボールが当たる乾いた心地いい音が青空へ響き渡る度に、私は反射的に公平へと目を向けた。
打球の行方を追いかけながら楽しそうにグラウンドを駆け抜ける公平の姿は、あまりにも眩しくて、不満でいっぱいだったはずの胸の奥が、皮肉にもキュッと甘く締め付けられてしまうのだった。


