全てがキミだった


学校が同じ、クラスが同じ。
毎日のように必ず会えていたあの頃が、どんなに楽しくて奇跡的な日々だったのかって、大人になってようやく気づいた。

次はいつ会えるんだろう……。

そんな不安が綺麗に吹き飛んだのは、公平と再会した翌日の午後に鳴り響いたスマホのあっけない通知音だった。

画面に表示されたポップアップを見て、心臓が跳ね上がる。
まさか、そんなはずはないと思いつつも、震える指先で画面をスライドしてLINEを開くと、時間に埋もれていたトーク画面の一番上に、その「まさか」の名前が躍り出ていた。

送り主の表示は、平田公平。

公平から直接LINEが届くなんて、約1年ぶりだった。

高校を卒業してからというもの、何度公平から「元気にしてる?」と気軽なメッセージが届いても、私は既読は付けても、一度も返信の送信ボタンを押すことができなかった。
通知画面でメッセージを見ては固まり、結局そのままアプリを閉じてしまう。
そんなことを繰り返すうちに、いつしか彼からのLINEもパタリと途絶えていた。

私のスマホのLINEの非表示リストやメモ帳には、行き場を失った何通もの返信文が冷たく残されたままになっている。

公平に送る覚悟なんて微塵もないくせに、夜中に恋しくなってはトーク画面に一生懸命文章を打ち込み、送信ボタンを押す直前で指を止めては削除する。

そんなことを何年も繰り返している自分自身の往生際の悪さに、さすがに呆れるし情けないとも思う。
だって、6年前のあの日から、私はLINEのアカウントも、電話番号すら一度だって変更していないのだから。

もしも公平がふと思い出して送ってくれたとき、いつでも公平からのLINEが迷わずに届くようにと、ずっとその場所で待ち続けていたんだ。