ふと、自分の中に眠るその鮮明すぎる記憶に、可笑しくも切ない気持ちになる。
私は、それはある意味で一種の才能なんじゃないかと思った。
なんて驚異的な記憶力なのだろう。
……もっとも、それが発揮されるのは「公平」という存在に関すること限定なのだけれど。
すでに6年も歳月が流れているというのに。
あの日の空気も、二人の言葉のやり取りも、私の中では昨日のことのように鮮明に、色褪せることなく残っている。
――本当に、何もかもが眩しかった。
デッキブラシから解き放たれて宙を舞う無数の水滴が。
太陽の光を照り返すプールの底が。
夏の空に聳え立つ、大きな太陽が。
そして何より、その光をいっぱいに集めて笑っていた、公平の顔が。
あの夏の眩しさすべてが、今も私の胸の奥で、息苦しいほどの熱を持って輝き続けていた。


