全てがキミだった


「呆れた」

ハァと大きなため息をつかれ、もうどっちが長女でどっちが次女なのか分からなくなる。

「いい加減、けり付けなよ。そんな中途半端な状態でウジウジ引きずってるからさ、定職に就いてちゃんと仕事する気にもなれないんじゃないの?」
「ちがっ……」

反論しようと思ったけれど、あながち間違っていないことに気づいて、喉まで出かかった言葉をゴクリと呑み込んだ。
恋に止まったままの時間が、私の人生そのものの足踏みにつながっていることを、私自身もどこかで分かっていたからだ。

「今更、公平とどうにかなる見込みなんてあると思ってるわけ?」
「……それは、思わない」
「なら、潔く諦めて次行くしかないじゃん。公平って人は、そのミサキって女が好きで好きでたまらなくて、追いかけるみたいに東京に行ったんでしょ?」
「そうだけど……」

そんなこと、言われなくたって痛いほど理解している。

叶わない恋だと分かっていながら、諦めることも進むこともできずに、私はこの6年間ずっと同じ場所で悩み続けてきたのだから。
冷酷なまでに事実を突きつける綾の正論が、胸の奥に重く刺さっていた。