そう痛感するたびに、私は自分の心の周りに、より高く、より分厚い城壁を築き上げていく。
あの頃の、色々な感情が出てこないように。
それなのに、耳の奥にはしつこいほどにあいつの声がへばりついて離れない。
まるで昨日のことのように、鮮明に蘇ってくる。
ゆっくりと瞼を閉じれば、暗闇の中に浮かび上がってくるのは、あの屈託のないあいつの笑顔だ。
6年もの歳月が過ぎ去ったというのに、私の中で生き続けるあいつは、出会った頃の青々とした姿のまま。
少しも年を老いることなく、未だに私の心を揺さぶり、静けさを乱していく。
そして――
あの夏の日と同じように。
散々私に期待を抱かせ、胸をときめかせたくせに。
また、すーっと、私の前から消えていくんだ。


