全てがキミだった


『夢がある人間って、なんかカッコイイよな』

まただ――……。

また、あいつの声が耳元で蘇る。

『俺にも持てんのかな、夢。今はなーんにも考えらんねぇけどさ』

夕陽が差し込む教室の匂いまで、はっきりと蘇ってくる。

あんな同窓会のメッセージなんてものが届いてしまったからだ。
眠らせていたはずの記憶の蓋が容赦なくこじ開けられ、私の中のあいつが完全に息を吹き返してしまった。

これじゃあ、あの部屋の隅にある茶色い箱を、ガムテープでぐるぐる巻きにして固く閉じ込めた意味がなくなってしまう。
必死に見ないように重ねてきた時間も、一瞬で破り去られてしまう。

胸の奥がキュッと締め付けられて、息がうまく吸えない。

――辛いよ。

忘れたいのに忘れさせてくれないあいつの影に、私は今夜もあの日と同じように囚われ続けている。