「綾に彼氏。あの綾に彼氏。どんな人かしら。イケメンかしら。あっ、お母さんエステ行った方がいいかしらね。どんな料理が好きなのかしら。あー、なんか緊張するわね」
あぁ――…
お好きにどうぞ。
私は、妙にテンションの上がっているお母さんを尻目に、スマホを取り出した。
履歴書なんて書いている場合ではなくなった。
お母さんのこの変なテンションを、抑えなければいけない。
だけど、その前に――…。
私は、お母さんの鼻歌に耳をふさぎながら、LINEを開いてメッセージを打った。
“一月にある同窓会、参加します!!”
「ちょっとお母さん落ち着いてよ。たかが彼氏を連れてくるくらいで、そんな興奮しないでよ」
「だって、綾の彼氏よ。この先、綾が男の人を連れ来るなんてことはないと思うし、貴重な体験じゃない」
はいはい。
私は、呆れながら窓から空を見上げた。
小さな飛行機が、お尻から白い線を出してゆっくり飛んでいる。
――同窓会
楽しみだな。
公平も誘ってみよう。
そして、タイムカプセルを一緒に開けるんだ。
私、何入れたんだっけ……。
まぁ、何だっていいか。
きっと懐かしいんだろうな。
【全てがキミだった】
―ENDー


