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「なんだよ、池内っ。おまえまた先生に怒られてんのかよ」
「私だって、怒られたくて怒られてるんじゃないよ!だって、私、体育なんて出来ないんだもん」
「ハハ。池内、運動音痴だもんな」
「そういう公平だって怪我してんじゃん、膝。小学生みたいにすりむいちゃってさ。実は運動音痴なんじゃないの?」
「は?おまえ喧嘩売ってんのかよ。もとはと言えば、これはおまえが悪いんだろ?」
「はぁ?私が何したって言うのよ」
「池内のドジさに巻き込まれたんだよ」
「なんで、いつも私のせいなのよっ!!」
「こらーっ!!おまえら、授業サボってなにやってんだー」
「げ、やっべ。池内逃げるぞ」
「え?ちょ、待って」
「こら、待たんかー?また、おまえらにプール掃除させるからなー!!」
「「えぇぇぇぇぇぇ!!」」
「もう、勘弁してくれよ……」
叫びながら、公平が私の手首を迷いなく掴んだ。
抜けるような青空の下、強い日差しを浴びた運動場を二人でがむしゃらに駆け抜ける。
「もっと早く走れよ、池内!」
「えー!? もうこれが限界だよ!」
繋いだ手から伝わる熱と、必死に走る公平の弾んだ息づかい。
追ってくる先生の怒鳴り声も、どこか遠くの出来事みたいに聞こえていた。
ただ可笑しくて、可笑しくて、走りながら二人で顔を見合わせて思い切り弾けたように笑った。
まぶしい光の中で弾ける汗と、青い夏の匂い。
あの頃の私達は、怖いものなんて何一つなくて、ただこの一瞬が永遠に続けばいいと本気で思っていた。
あのキラキラの輝きは、今までも、これからもずっと、私の心の中で色褪せることなく燦々と輝き続けている。
好きだ。
バカ公平。


