公平と再会して、一緒に最高の思い出を思い出して、二人の絆を確かめ合った。
その点では、私はミサキに勝っている。
それだけで、十分だ。
「池内」
「ん?」
「池内、聞いて」
「うん」
「俺さ……」
公平は言葉を区切り、隣に座る私の目を真っ直ぐに見た。
私も、同じように公平の目を見つめる。
「俺さ……」
夕暮れの橙色の光が、公平の横顔を鮮やかに照らし出していた。
風に揺れる彼の髪も、真剣に私をとらえる瞳も、高校生の頃と何も変わらないように見えて、けれどどこか確かな大人としての重みを帯びている。
固く握りしめられた手の中には、先ほど私が返したばかりの、泥と汗で黒ずんだ野球ボール。
公平は呼吸をひとつ整えると、迷いを振り払うように口を開いた。
「俺……結婚するんだ。ミサキと」
静寂が、ふたりの間に落ちた。


