いつからこんな奇妙な競技が始まったのかは、誰も知らない。
私が入学した頃には、すでに体育祭の名物としてすっかり定着していた。
噂によれば、何年も前に在籍していたという生徒会長が、とんでもないBL好きだったらしい。
男子同士の美しい姿を見たい。
そんな会長が独断でねじ込んだ競技だという話だけれど……あくまでも、都市伝説のような噂話に過ぎない。
男子生徒たちにとっては、まさに悪夢のような時間だった。
プライドも何もなくなるこの競技だけは絶対に当たりたくないと、抽選の日から頭を抱えて頭を悩ませていたくらいだ。
けれど女子生徒たちは違った。
ほぼ全員が、心の中でその顔も知らないBL好きの元生徒会長に深く感謝していたのだ。
もちろん、私もそのうちの一人だった。
学校ではいつだってクールで、どこか達観している公平の、普段なら絶対に見られないような姿を拝むことができる。
グラウンドの最前列で息をひそめながら、私はスタートラインの方へと集まっていく男子たちの人ごみの中に、彼の姿を探していた。


