全てがキミだった


私が必死に駆け抜ける先には、いつだって必ず光があるものだと思っていた。

どんなに不器用で遠回りな歩みであっても、ひたむきに想い続けて走っていれば、最後にはちゃんと報われるゴールが用意されているんだって……どこかでそう信じ込んでいた。

だけど、今の私には、必死に駆けるための道すら最初から用意されていなかった。
手を伸ばした先に広がっていたのは、眩しい未来の光などではなく、足元さえも見えないほどの冷たく深い暗闇ばかりで――……。

……もう、いいよ。

胸の奥で、何かがプツリと音を立てて切れた。
最初からゴールなんて存在しないのなら、これ以上息を乱して走り続けるのは、もうやめてしまおう。
公平に向かって膨らみ続けていた、このどうしようもないくらいの『好き』という感情を、深い底へと閉じ込めて、強く鍵をかけてしまおう。

期待しては傷つくくらいなら、出会った頃のように、ただ遠くから眩しそうに見つめるだけの『憧れ』に、もう一度戻せばいい。

公平とミサキの間に漂う特別な空気に入り込める余地なんて、1%だって私には存在しないのだから――。

頬を濡らす涙を腕で雑に拭うと、私はあてもなく走り続けていた足を、ゆっくりと止めた。