第9話 夢の正体
目を開けると、そこには群青色の空が広がっていた。
「……ここ、どこ?」
萌木結――いや。
本当の名前は、萌守心咲。
作家と声優を目指している少女。
結は、自分の胸に手を当てた。
「私……」
その瞬間、隣から声がした。
「結」
「シュウちゃん……?」
振り向くと、そこには日守莉人がいた。
いつも呼んでいる名前は、シュウちゃん。
でも、本当の名前は莉人。
二人は顔を見合わせる。
「ここまで来たな」
「うん」
目の前には、大きな青い薔薇の扉があった。
扉には、三つの小さな宝石が埋め込まれている。
一つ目。
二つ目。
そして――
三つ目だけが空いていた。
「これが、最後のジュエルなのかな?」
「たぶん」
莉人が扉に手を触れる。
すると、文字が浮かび上がった。
『最後の夢を叶えてください』
「最後の夢……」
結は呟いた。
これまでにも、いくつもの不思議な出来事があった。
青い薔薇。
不思議な列車。
夢のような遊園地。
そして、シンデレラ城のようなお城。
その中で、莉人からもらったガラスのティアラ。
どれも楽しかった。
けれど――
結には、まだ一つだけ叶っていない夢があった。
「……私」
「ん?」
「ずっと、夢があったんだ」
結は空を見上げる。
「作家になること」
「うん」
「それから、声優になること」
「知ってる」
「でも、それだけじゃないの」
結は少し恥ずかしそうに笑った。
「もう一つ、夢がある」
莉人が黙って待っている。
「……シュウちゃんと、一緒に未来を作ること」
青い薔薇が、ふわりと光った。
扉に文字が浮かぶ。
『それが、三つ目の夢です』
「……え?」
結が目を見開く。
次の瞬間。
世界が一気に変わった。
そこに現れたのは――
大きな教会だった。
青い薔薇で飾られた入口。
白い道。
そして、遠くに見える大きな鐘。
「ここ……」
「結婚式場?」
莉人が呟く。
結の顔が真っ赤になる。
「け、結婚……?」
すると、空から一枚のカードが落ちてきた。
結が拾う。
そこには――
『三つ目の夢』
『大切な人と、未来を約束すること』
と書かれていた。
「……」
結はカードを胸に抱く。
今までの二つの夢とは違う。
これは、何かを手に入れる夢ではない。
これから先の人生そのものに関わる夢だった。
「シュウちゃん」
「うん」
「私……この夢、叶えたい」
莉人は少し驚いた顔をした。
けれど、すぐに笑った。
「俺も」
二人が一歩進む。
すると、教会の扉が開いた。
中には、青い薔薇が三本飾られている。
そして、その中央に――
小さな箱が置かれていた。
結が箱を開ける。
中には、三つ目の青い薔薇のジュエル。
「これ……」
ジュエルを手に取った瞬間。
結の目の前に、未来の景色が広がった。
作家になった自分。
声優としてマイクの前に立つ自分。
そして――
隣には、莉人がいる。
「……未来」
結は小さく呟いた。
それは、まだ存在していない未来。
でも。
だからこそ、自分たちで作っていくもの。
結はジュエルを握りしめた。
「夢って……待っているだけじゃ叶わないんだね」
「そうだな」
「自分で歩いていかないと」
「ああ」
二人がジュエルを掲げる。
三つの青い薔薇のジュエルが、空中で一つにつながった。
――パァァァッ。
群青色の光が、世界中に広がっていく。
そして、空に大きな文字が浮かんだ。
『三つの夢、すべて達成』
結は目を見開いた。
「……終わった?」
莉人が笑う。
「いや」
「え?」
「たぶん、ここからだよ」
その瞬間。
教会の奥に、もう一つの扉が現れた。
扉の向こうから、優しい鐘の音が聞こえてくる。
――カラン。
――カラン。
結は、そっと莉人の隣に立った。
「行こう」
「うん」
二人は扉へ向かって歩き出した。
その先に待っているのは――
二人が夢見た、未来だった。
目を開けると、そこには群青色の空が広がっていた。
「……ここ、どこ?」
萌木結――いや。
本当の名前は、萌守心咲。
作家と声優を目指している少女。
結は、自分の胸に手を当てた。
「私……」
その瞬間、隣から声がした。
「結」
「シュウちゃん……?」
振り向くと、そこには日守莉人がいた。
いつも呼んでいる名前は、シュウちゃん。
でも、本当の名前は莉人。
二人は顔を見合わせる。
「ここまで来たな」
「うん」
目の前には、大きな青い薔薇の扉があった。
扉には、三つの小さな宝石が埋め込まれている。
一つ目。
二つ目。
そして――
三つ目だけが空いていた。
「これが、最後のジュエルなのかな?」
「たぶん」
莉人が扉に手を触れる。
すると、文字が浮かび上がった。
『最後の夢を叶えてください』
「最後の夢……」
結は呟いた。
これまでにも、いくつもの不思議な出来事があった。
青い薔薇。
不思議な列車。
夢のような遊園地。
そして、シンデレラ城のようなお城。
その中で、莉人からもらったガラスのティアラ。
どれも楽しかった。
けれど――
結には、まだ一つだけ叶っていない夢があった。
「……私」
「ん?」
「ずっと、夢があったんだ」
結は空を見上げる。
「作家になること」
「うん」
「それから、声優になること」
「知ってる」
「でも、それだけじゃないの」
結は少し恥ずかしそうに笑った。
「もう一つ、夢がある」
莉人が黙って待っている。
「……シュウちゃんと、一緒に未来を作ること」
青い薔薇が、ふわりと光った。
扉に文字が浮かぶ。
『それが、三つ目の夢です』
「……え?」
結が目を見開く。
次の瞬間。
世界が一気に変わった。
そこに現れたのは――
大きな教会だった。
青い薔薇で飾られた入口。
白い道。
そして、遠くに見える大きな鐘。
「ここ……」
「結婚式場?」
莉人が呟く。
結の顔が真っ赤になる。
「け、結婚……?」
すると、空から一枚のカードが落ちてきた。
結が拾う。
そこには――
『三つ目の夢』
『大切な人と、未来を約束すること』
と書かれていた。
「……」
結はカードを胸に抱く。
今までの二つの夢とは違う。
これは、何かを手に入れる夢ではない。
これから先の人生そのものに関わる夢だった。
「シュウちゃん」
「うん」
「私……この夢、叶えたい」
莉人は少し驚いた顔をした。
けれど、すぐに笑った。
「俺も」
二人が一歩進む。
すると、教会の扉が開いた。
中には、青い薔薇が三本飾られている。
そして、その中央に――
小さな箱が置かれていた。
結が箱を開ける。
中には、三つ目の青い薔薇のジュエル。
「これ……」
ジュエルを手に取った瞬間。
結の目の前に、未来の景色が広がった。
作家になった自分。
声優としてマイクの前に立つ自分。
そして――
隣には、莉人がいる。
「……未来」
結は小さく呟いた。
それは、まだ存在していない未来。
でも。
だからこそ、自分たちで作っていくもの。
結はジュエルを握りしめた。
「夢って……待っているだけじゃ叶わないんだね」
「そうだな」
「自分で歩いていかないと」
「ああ」
二人がジュエルを掲げる。
三つの青い薔薇のジュエルが、空中で一つにつながった。
――パァァァッ。
群青色の光が、世界中に広がっていく。
そして、空に大きな文字が浮かんだ。
『三つの夢、すべて達成』
結は目を見開いた。
「……終わった?」
莉人が笑う。
「いや」
「え?」
「たぶん、ここからだよ」
その瞬間。
教会の奥に、もう一つの扉が現れた。
扉の向こうから、優しい鐘の音が聞こえてくる。
――カラン。
――カラン。
結は、そっと莉人の隣に立った。
「行こう」
「うん」
二人は扉へ向かって歩き出した。
その先に待っているのは――
二人が夢見た、未来だった。
