あの光の先

『(シャンとしなきゃ!彼女を不安にさせてしまうわ)』

心に誓った決意を胸に立ち上がる。

『サラちゃん!これからは私を義姉として慕いなさい。』
『したいことがあったら言いなさい』
『食べたいものがあれば言いなさい』
『遠慮はしちゃダメ!』
『姉妹に隠し事はなし!分かった?』

「わ、わかった、お姉…ちゃん?」

『うん、少しずつでいいから、仲良くしてくれると嬉しいわ?』

「うん…嬉しい」
「優しくしてくれてありが…とう」

サラはまだ少しぎこちなさそうに、でも決して嫌がらず、ヘンリエッタに甘えようと頑張る。

『私のことはそうね…エッタと呼んでちょうだい。』
『名前長いでしょう?』

「エッタ…慣れるまでお姉ちゃんって呼ぶ!」

『わかったわ』
『これからよろしくねサラ?』

ひとしきり自己紹介を挟んだところで、ここを発つ準備をする。

『(彼の家にも誰か来たんだもの。)』
『(ここも時間の問題かもしれないわ。)』
『(急いでこの国から離れないといけないわ。)』

『ねぇサラ、早速なのだけど急いでここを出ましょ。』
『あなたの本当に必要なものだけまとめましょ!』

「うん。わかった!」

サラの瞳にはもはや迷いはない。
もちろん悲しい。怖い。
だけど、エッタが守ると言ってくれた。
お姉ちゃんになってくれると言ってくれた。
それだけでもう心が満たされたのだ。
エッタと一緒に生きていきたい。
これからいろんな経験をしていきたい。
エッタと一緒ならきっと…楽しいはずだ。

サラはあるだけの食料と飲み水、兄の写真と手紙、兄にもらった帽子を深々と被り、布切れを纏った。

「準備万端!だよ、お姉ちゃん」

『分かったわ。さぁ行きましょ』

私はサラのまとめた荷物を持ち上げ、足早に部屋を後にする。

部屋を出るとどこにいけばいいのか悩んでいるとサラが

「こっち!お兄が教えてくれたの」

そう言ってサラが手を引いてくれた。

『(こんなちっちゃい子に先導されちゃうなんて。)』
『(私もしっかりしなきゃ、ね)』

そう思ったが、今はこの状況に甘えようと身を委ねた。

『なんだか手を繋ぐ姿が≪姉妹≫って感じがして素敵。』

ボソっと言ったつもりだったが、サラには筒抜けだったようで

「ふふふ、嬉しい」

サラは満面の笑みで返してくれた。


入り組んだ道を縦横無尽に進み、奥の方までくると行き止まりだった。
道でも間違えたのかな?と思っていると、サラが壁の一部を触りだす。

カチッと音がして、そこに突然扉が出現した。
どうやら隠し扉だったようだ。
私一人ではここまで来ることも出来なかったし、サラがいてくれてよかったなと思った。

再び手を引かれて扉の中に入っていった。