∞8《インフィニティ・エイト》

 ……鳥のさえずりが聞こえる。

 カーテンがなくなった窓から日差しが射し込んで眩しい。

 ぼんやりとしたまま、スマホを手に取った。

 8月8日 8:30

 玄関のチャイムが連打されて、耳馴染みのある元気な声が聞こえてくる。

「夏美ー! 起きてるかー? 最後に学校、見に行こうぜ!」

「リク、さすがに何度も押すのは迷惑だよ」

 スマホを握った手には、傷がなかった。

 擦りむいて、血がにじんでいたはずなのに。

 ──また、八月八日が始まる。